EUROでの悲劇から約10カ月での完全復活 BIG6が関心を示すほどのパフォーマンスを見せるデンマークの魔法使い

エリクセンがピッチに戻ってきた photo/Getty images

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ブレントフォードで躍動している

近年のプレミアリーグは昇格組の3クラブの中で1つのクラブが昇格シーズンに躍進するジンクスがあり、ウルブズやリーズ、現在は2部でプレイしているがシェフィールド・ユナイテッドは昇格初年度にサプライズを起こして見せた。シェフィールドは残念ながら降格してしまったが、ウルブズとリーズはプレミアで戦っており、特にウルブズはここまで8位とさすがの強さを見せている。

今季のその枠はブレントフォードであり、31試合を消化して14位と健闘を見せている。しかし、そんなブレントフォードも苦しい時期はあり、公式戦9試合で勝てない時期が続いていた。それでも、直近の3試合で2勝1敗と好成績であり、その1勝は昨季の欧州王者であるチェルシーから奪ったものである。

そんなブレントフォードを支えているのが、今冬に加入したクリスティアン・エリクセンだ。プレミアではトッテナムでプレイしており、セリエAではインテルでの在籍経験を持つ。エリクセンはデンマーク代表として参加したEURO2020のフィンランド戦で心停止してしまうアクシデントに見舞われ、一時はピッチから遠ざかっていた。それでも、ICD(埋め込み型除細動器)をつけることでプレイできるようになっており、デンマーク時代に関係のあったトーマス・フランクが監督を務めるブレントフォードが獲得している。

EUROでの事故もあってこのようなトップフォームでのプレイをできるのか不安視されていたが、今のエリクセンのパフォーマンスを見ればそれが杞憂であったことが分かる。ノリッジ戦で復帰後初のフルタイムでプレイすることになると、その後のバーンリー戦、チェルシー戦でピッチに立っている。運動量が衰えることもなく、何より彼の代名詞であったキック精度は健在だ。両足での高精度のキックはまるで魔法であり、ストライカーのイヴァン・トニーと共にチームの攻撃をけん引している。

デンマーク代表にも復帰しており、先日のオランダ戦、セルビア戦ではゴールを奪っている。英『90min』によればマンチェスター・ユナイテッドと古巣のスパーズが獲得に興味を示していると報じている。ブレントフォードの契約は今季終了後までとなっており、そこでの延長がなければフリーでエリクセンを獲得できる。再発などリスクのある獲得とはなるが、ゲームを作れてチャンスも生み出せる選手は両クラブ共に欲しい。

悲劇のフィンランド戦から約10カ月がたったが、エリクセンは見事に復帰に成功している。彼の魔法はそのまま維持されており、ワールドカップ・カタール大会に出場するデンマーク代表やクラブでの活躍に注目したい。

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