絶体絶命のピンチを防ぎリヴァプール相手に大活躍 世界的なCBの仲間入りを果たしたラポルトの現在地

ミスなくリヴァプール戦を終えたアイメリック・ラポルト photo/Getty images

あとは継続性だ

プレミアリーグのタイトル獲得を目指すマンチェスター・シティは11日にリヴァプールとホームで対戦。敗れれば首位陥落となるゲームだったが、2-2とドローでの決着となり、互いに勝ち点を分け合うことになった。

シティとしてはこの試合に大きな不安要素を抱えて臨んでいる。それはディフェンスリーダーであるルベン・ディアスの不在だ。3月序盤にハムストリングを負傷しており、当初は4から6週間の離脱が見込まれるといわれており、このリヴァプール戦に間に合う可能性も報じられたが、ベンチ外となり、ジョン・ストーンズとアイメリック・ラポルトのコンビとなった。

ラポルトの対応には不安があった。ラポルトは左足から蹴ることのできる高精度のパスを武器にビルドアップで輝ける選手であり、守備対応が評価されることは少ない。ラポルトのいる左サイドから崩されることが多く、前回のリヴァプール戦も2失点共に左サイドを破られた。

そういったこともあって今回もサラーに難しい対応を迫られると予想されたが、終わってみればラポルトのパフォーマンスにチームは救われており、最終ラインでいえばカイル・ウォーカーに並ぶ大活躍だった。

この試合のラポルトを象徴するのが44分のシーンだ。空中戦の競り合いでのこぼれ球がロドリとベルナルド・シウバの間に落ち、いわゆるお見合いとなってどちらもスルーしてしまった。そこをかっさらわれ最後はディオゴ・ジョタがボックス内でボールを持っている。一瞬でボックス内に侵入したこともあってジョタとエデルソン・モラレスが一対一となったが、後ろからラポルトがスライディングでコースをふさぎ、ボールをかきだしている。前半終了間際と集中力が落ちてしまった場面だが、ディアスに代わってラポルトがチームの窮地を救った。英『manchester evening news』では「完璧。実に堅実な働きだった」とラポルトを絶賛している。

ラポルトとしてもリヴァプール相手にこのパフォーマンスは自信がついたか。実力はあるプレイヤーだったが、安定感のなさが評価を落としているポイントであり、今季敗れたクリスタル・パレス戦はラポルトの退場が響いたゲームであった。それでも、ここにきて評価を逆転させる働きを見せており、彼に継続性は加わればディアスと並ぶ世界的なCBと呼ばれる日も近いかもしれない。

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