日本代表に186cmの大型ボランチが誕生? シャルケで中盤も兼任するようになった板倉滉は秘密兵器となる

シャルケでプレイする板倉滉 photo/Getty images

選択肢は多いほうがいい

ドイツ、ブンデスリーガ2部は終盤を迎えており、残り5試合となっている。1部へ昇格するのは1位と2位であり、3位は1部の16位でフィニッシュしたチームと昇格プレイオフを戦うことになっている。現在の首位はかつて内田篤人氏が在籍し、板倉滉がプレイしている古豪シャルケであり、1シーズンでの返り咲きを目指している。しかし、2位のヴェルダー・ブレーメンとは勝ち点差がゼロ、上位が非常に詰まっており、5位ニュルンベルクまで勝ち点差が4ポイントしかない。シャルケが昇格するにはここからの全勝が必須であり、次節ダルムシュタット戦に注目だ。

好調シャルケでは板倉が攻守に大活躍している。川崎フロンターレで日本のキャリアをスタートさせ、その後プレミアの名門マンチェスター・シティに引き抜かれた板倉。残念ながらトップチームでのプレイはできていないが、オランダのフローニンヘン、そしてシャルケと順調にステップアップしている。

フローニンヘンでは3バックの中央で評価されており、シャルケでもCBとして起用されている。守備者ではあるが、非常に攻撃的な選手であり、9日のハイデンハイム戦ではチームの2点目を決めて勝利に貢献している。これで板倉は今季4ゴール目であり、得点力のある守備者としての地位を確立した。

そんな板倉だが、最終ラインだけでなく中盤での起用が増えている。ゴールを決めたハイデンハイム戦でもダブルボランチで使われており、ここ最近ではインゴルシュタット戦、ディナモ・ドレスデン戦では最終ラインから一つポジションを上げた位置でピッチに立っている。元から中盤を兼任できるユーティリティ性を兼ね備えており、現在3バックで評価されているのは中盤を経験したことでビルドアップや守備に大きく影響しているのだろう。

シャルケの公式サイトにはゴールを決めたハイデンハイム戦でのコメントが掲載されており、「私はチームを最も助けることができるポジションでプレイします。センターバック、ボランチでも問題なく、次はストライカーとして呼ばれるかも知れません」とある。最後は少し冗談まじりなコメントだといえるが、中盤でも問題なくドイツでプレイしている点に、彼のポテンシャルの高さをうかがうことができる。

クラブでもやれているのであれば、日本代表でもぜひ試したいオプションだ。現状の板倉はCBの選手だが、序列でいえば吉田麻也、冨安健洋の下となる。残りの親善試合で序列が覆る可能性はあるが、人材不足気味な中盤で起用できれば選手層がより厚くなる。186cmという高身長は中盤では大きな武器であり、空中戦の強化が見込める。問題は[4-3-3]の中盤にどう落とし込むかであり、遠藤航のポジションでそん色なくプレイできれば一気に中盤の問題は解決されることになる。

シャルケへの移籍で一気に飛躍した板倉。1部に昇格できればシティからの買い取りも可能との報道も出ており、成長を続ける板倉の今後に注目だ。

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