マンUで出番なしの男がミラン復権のキーマンに? さらなる巻き返しを狙うミランにとってマタが“ちょうどいい”理由

現在は十分な出場機会を得られていないマタ photo/Getty Images

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ミランはチャンピオンズリーグ2年連続出場となるか

2010-11シーズン以来となるセリエA制覇を目指し、現在首位をキープしているACミラン。後ろには勝ち点差2でインテルとナポリが続く。現時点でどのチームもリーグ戦6試合以上を残しており、優勝争いの行方はまだまだわからない。そのような状況で来季に目を向けるのは早いかもしれないが、2年連続のチャンピオンズリーグ出場が現実味を帯びているミランにとって、この夏の的確な補強は重要な課題だ。

ミランの補強候補の1人として、マンチェスター・ユナイテッドのMFファン・マタの獲得が取り沙汰されている。マタはチェルシー時代の2012-13シーズンにリーグ戦12ゴール12アシストを決めるなど、確かな実力と経験を持ち合わせる選手だ。しかし近年は出場機会に恵まれておらず、今シーズンはわずか5試合の出場に留まっている。

そんなマタが確実に戦力となるのかは未知数だが、ミランというチームの歴史を振り返れば、調子を落としているビッグネームを獲得し、復調させ、活躍させることを得意としてきた。今シーズンのチームで言えば、35歳のFWオリヴィエ・ジルーが例に挙げられる。昨シーズンはチェルシーでリーグ戦17試合4ゴール0アシストという成績に終わっていたジルーだが、ミランに移籍してきた今シーズンはここまで23試合8ゴール3アシストと数字を伸ばしている。過去を遡れば、バルセロナ在籍最終年に怪我で出場機会を減らしていたロナウジーニョや、マンチェスター・シティで燻っていたロビーニョなど、他にも多くの選手がミランで蘇り、チームに貢献してきた。マタにもそういった選手の1人になることが期待される。プレミアリーグやヨーロッパの舞台で活躍してきた男が本領を発揮すれば、ミランの勝ち点はさらに伸びるはずだ。

とは言え33歳という年齢や試合勘のなさを考慮すれば、マタに加入後即スタメンフル出場を求めるのは厳しいだろう。それでも長いシーズンにおいて要所要所でチームの勝利に貢献してくれるはず。むしろ即スタメンフル出場が可能なビッグネームを連れてきてしまうと、ラファエル・レオンやブラヒム・ディアス、アレクシス・サレマーカーズといった若手選手たちの出場機会を奪うことになり、成長の芽を潰しかねない。マタはそういった若手たちに経験を伝えることができる選手であり、彼らの成長を促す可能性も秘めている。ミランにとっては、イブラヒモビッチの帰還がチャンピオンズリーグ復帰への原動力となったように、若手とベテランの融合が復権に向けたキーとなるはずだ。

米『ESPN』によれば、6月末でマンUとの契約が切れるマタを、インテルや他のセリエAクラブ、スペインやフランスのクラブも狙っているという。ヨーロッパの舞台でも巻き返しを図るため、ミランはマタ獲得に本腰を入れるべきかもしれない。


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