地獄の3連戦のプレイタイムはまさかの“29分”のみ 1億ポンドの男・グリーリッシュには何が足りない?

重要な連戦で起用されていないジャック・グリーリッシュ photo/Getty images

アトレティコとの2ndレグは出番がなかった

14日に行われたアトレティコ・マドリード対マンチェスター・シティの一戦は0-0でのドローとなり、2戦合計0-1でリードしたシティがレアル・マドリードの待つラウンド4に駒を進めている。ジョゼップ・グアルディオラ監督が就任して以降はラウンド8の壁を突破するのが難しかったが、昨季に続いての4強入りであり、チームの成熟度の高さがうかがえる。

そんなシティだが、特にアトレティコとの2ndレグは苦しかった。攻撃の中心であるケビン・デ・ブライネを終盤に欠くことになったとはいえ、後方からのビルドアップが機能せず、途中投入でピッチに立ったラヒーム・スターリングも効果はなかった。そのため、フェルナンジーニョを投入してビルドアップを捨て、はじき返す守備に徹し0-0を掴み取った。

結果的にはラウンド4に進めており、これで良かったのだが、ジャック・グリーリッシュの起用の少なさは気になる。今季からシティでプレイしており、10番を背負うなどクラブからの期待が大きい選手だが、アトレティコとの1stレグ、リヴァプールとのリーグ戦、そしてアトレティコとの2ndレグでは先発数がゼロであり、プレイタイムは合計で29分と少ない。試合の流れを崩さないために、あえてペップが交代をしなかったことも考えられるが、アトレティコとの2ndレグはリヴァプール戦から日が経っておらず、中盤から前線にかけての運動量の低下が見られた。そこで重要となるのが攻守の強度を落とさないフレッシュな控え選手であり、中盤ではフェルナンジーニョ、後方ではネイサン・アケがこのアトレティコ戦でピッチに立ち、躍動している。前線ではリヤド・マフレズに疲れが見えており、ガブリエウ・ジェズスが累積警告でベンチ外となっている今、グリーリッシュを起用して前線で走らせてもよかったが、結局出番はなかった。

怪我の心配はあるが、グリーリッシュはファウルを貰うのが上手く、流れを止めたいシティからすればグリーリッシュは適役だった。守備の強度を上げるなら走れる選手が欲しい。しかし、起用されなかったということはまだグリーリッシュの守備強度がペップの求めるものではないのかもしれない。

実際にここまで、インテンシティの高いリヴァプール戦やトッテナム戦では起用されておらず、トランジションの部分でまだまだなのか。これは早急に改善したいポイントだ。特にビッグイヤーの獲得を目指すシティからすればCLの戦いは重要で、CLは勝つにつれてシーズン終盤に試合が多くなる。そうなれば必然的にベンチメンバー含めたチームの総合力が試されることになるが、強度が足りないグリーリッシュは今後もハイインテンシティとなるゲームでピッチに立つことが少なく、アトレティコとの2ndレグのような選手層の薄さを引き起こしてしまう。そうならないためにも、強度の高さが今後は成長するための要素となるか。

1億ポンドでアストン・ヴィラからやってきたグリーリッシュ。しかし、活躍は非常に限定的であり、CLを舞台に考えれば上積みにはなっていない。ここからもシティは過密日程が続くことになり、中1日でFAカップでのリヴァプール戦を迎えることになる。ここでは疲労も考えグリーリッシュのようなフレッシュな選手が起用されることになるだろう。そこで強度の高いプレイを見せることができれば、終盤戦でより出番は増えるはずだ。

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