リヴァプールはターンオーバー、対するシティはフルメンバー 中1日でのFAカップで分かる両チームの総合力

ペップはこの難しい日程をどう切り抜ける photo/Getty images

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どちらが有利かはいうまでもない

11日に行われたマンチェスター・シティ対リヴァプールの一戦は両者ともに得点を奪い合うスリリングな展開で、結果2-2のドローとなった。ゴールシーン以外でも素早い切り替えなど見るべきものが多く、素晴らしいゲームであったことは間違いない。

しかし、その分疲労も大きく、シティは中2日で行われたアトレティコ・マドリードとのCLラウンド8、2ndレグでは非常に苦しめられた。自慢の前線からのハイプレスやネガティブトランジションでのボール奪取が機能せず押し込まれ、最後まで気の抜けないゲームだった。

リヴァプールも中2日で行われたベンフィカ戦は快勝とはならなかった。ロベルト・フィルミーノらのゴールでリードを作るも、終盤にダルウィン・ヌニェスらのゴールで追いつかれ、結果3-3のドローに。1stレグでの貯金があり、2戦合計6-4と勝ち抜けたが、やはり終盤には疲労が見られた。

互いに満身創痍の状態で16日にはFAカップ準決勝シティ対リヴァプール戦が予定されている。14日に両チームはCLの2ndレグを戦っており、中1日で再び顔を合わせることになる。

それでも、リヴァプールはこの試合のためにベンフィカ戦で大幅なターンオーバーを敢行。フィルジル・ファン・ダイクやトレント・アレクサンダー・アーノルドを休ませることに成功している。

対するシティは相手がアトレティコ、1点差ということもあって普段通りのメンバー編成で戦い、見事ラウンド4の切符を掴んだ。しかし、ケビン・デ・ブライネ、カイル・ウォーカーらが負傷、攻守の要であるフィル・フォーデン、ロドリをフルタイムで起用しており、FAカップでのリヴァプール戦は疲労が目に見えるものになっているはずだ。

シティとしてはここで選手層の薄さを露呈してしまった。ベンチにはラヒーム・スターリング、ジャック・グリーリッシュと名のある選手はいるが、アトレティコ戦でスタメンだったフォーデン、リヤド・マフレズと比較すればクオリティは大きく落ちてしまう。特にスターリングはリヴァプール戦のようなビッグマッチでは輝けておらず、苦しい。インサイドハーフもデ・ブライネが出ないとなればイルカイ・ギュンドアンとベルナルド・シウバが出るが、両者ともにアトレティコ戦で大きく疲弊してしまった。最終ラインはそこまで問題ないが、ハイプレスやネガティブトランジションでチームを支える前線の層の薄さがここにきて響いている。

ジョゼップ・グアルディオラ監督としては手腕の見せ所だ。大きくクオリティは落ちるがスターリングやグリーリッシュはフレッシュであり、ガブリエウ・ジェズスがFAカップでは起用できる。ジェイムズ・マカティやロメオ・ラヴィア、リアム・デラップと若手も多く、ペップの中1日での判断に注目だ。

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