未だ決勝ラウンドでは“4試合無失点”のシティ 2億3300万ユーロのCBらCL制覇に必要な堅守は揃ったか

ルベン・ディアスの加入でマンチェスター・シティの守備陣は大きく飛躍した photo/Getty images

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アトレティコ戦の後半は耐えに耐えた

2016年にジョゼップ・グアルディオラが就任し、翌17-18シーズンにプレミアリーグを制したマンチェスター・シティ。その後18-19シーズン、20-21シーズンにもリーグタイトルを獲得しており、プレミアでは十分な成績を残しているが、CLでは未だタイトルの獲得はない。特にCLでは昨季までラウンド8の壁を突破したことがなく、シティがCLでは勝てないというレッテルが貼られていた。しかし、昨季ボルシア・ドルトムントを撃破してラウンド4に駒を進めるとパリ・サンジェルマンをも倒し、決勝に進出。今季もラウンド8でアトレティコ・マドリードを破り、レアル・マドリードの待つ4強入りを決めた。ペップが就任してから時間が経ち、チーム自体が成熟しており、明確にレベルが上がっているのは守備の力だろう。

センターバックでいえばルベン・ディアス、アイメリック・ラポルト、ジョン・ストーンズ、ネイサン・アケがチームに加わり、攻守に躍動している。ディアスはすでにディフェンスリーダーであり、ラポルトはビルドアップに、ストーンズはバランスがよく、アケはサイドバックとして守備固めで起用されることが増えてきた。彼ら4人のみで移籍金の合計が2億3300万ユーロ(日本円にして318億円)と高額だが、それに見合う堅守と攻撃での貢献は見せてくれている。

サイドバックでいえばカイル・ウォーカーの存在は忘れてはならない。アトレティコとの2ndレグで負傷交代となったが、快足を生かした広範囲のカバーリング能力は素晴らしく、次のレアル戦に出られるのであればヴィニシウス・ジュニオールと対峙することになる。素晴らしいドリブラーだが、ウォーカーを抜くことはできるのだろうか。ジョアン・カンセロも一時は守備対応が悪すぎたが、ここにきて改善傾向にある。リヴァプールのモハメド・サラーとの一対一を制するなど判断力も上がっている。

センターバックの前でフィルターとなるロドリの守備力向上も大きい。ロドリは配球面でも素晴らしいものを持っているが、潰し屋としての顔を持つ。こちらもアトレティコ戦では4回のタックルを成功させており、191cmの長身を生かした空中戦でも5回勝利して攻撃を跳ね返した。途中からアケと同様に守備固めで出てきたフェルナンジーニョもさすがベテランという活躍であり、ロドリが消耗しきった場面でボールハンターとして相手からボールを奪っている。スピード不足が見られるようになったが、一対一の判断力は健在であり、シティのピンチを防いだ。

今季のシティの守備の堅さを支えているのは、彼らの守備もあってなのだが、前線からのハイプレスとネガティブトランジションの速さがあった。しかし、アトレティコ戦の後半には2-2でドローとなったリヴァプール戦の疲労もあって足が動いておらず、強度は保たれていなかった。しかし、守護神エデルソン・モラレスと共に攻撃を跳ね返しており、クリーンシートを達成。CL決勝ラウンドの4試合では未だに無失点であり、CLでの勝ち方を覚えてきているように思える。

しかし、次はカリム・ベンゼマ率いるレアルとの対戦であり、シティはウォーカー不在が濃厚だ。それでも、ファイナルに進むにはこのベンゼマとヴィニシウスのコンビを封じるのは必須であり、ロドリ含めたバックラインの奮闘が重要となる。

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