ウイングへのコンバートで才能が一気に開花 セリエAで急成長遂げる《超絶ドリブラー》

今季後半戦、セリエAで一気にその存在感を増しているトラオレ photo/Getty Images

直近のセリエA9試合で6G2Aの大暴れ

今冬の移籍市場にて、イタリア・セリエAのサッスオーロはリーグ屈指の実力を誇るドリブラーを失った。その選手とは、もちろんアタランタに引き抜かれたジェレミー・ボガのこと。それまで攻撃陣の重要な戦力として機能していた彼を失ったことで、同クラブの前線は迫力不足に陥ると予想していた人も少なくなかったはずだ。

しかし、その後のサッスオーロはボガの代役を意外にもあっさりと見つけることに成功した。その代役というのはコートジボワール代表MFハメド・ジュニオール・トラオレ(22)だ。それまでは中盤の選手とみなされていたものの、今や彼は左サイドこそが天職だったのではと思わせるほどの活躍を見せている。アフリカ・ネイションズカップによる離脱から復帰してすぐに左ウイングへとコンバートされると、それ以降のトラオレはサッスオーロの攻撃陣において必要不可欠な存在となったのだ。

持ち味の軽快なドリブル技術を駆使しつつ、今ではゴール前におけるフィニッシュワークにも秀でたウインガーとして周囲に認識されるようになったトラオレ。その変貌ぶりは、彼のゴールに絡んだ数字の変化からも見て取れることができるだろう。今季前半戦はリーグ戦出場17試合で2つのアシストしか記録することができていなかった同選手だが、左ウイングへと本格的にコンバートされて以降の9試合ではなんと6ゴール2アシストもの数字を記録中。得点に絡むペースは明らかに向上している。

加えて、同時期におけるこの6ゴールという数字も非常に優秀だ。伊『Gazzetta dello Sport』によると、直近のセリエA9試合でトラオレ以上に得点を奪っているのはラツィオのチーロ・インモービレ(7ゴール)とナポリのビクター・オシムヘン(7ゴール)のみ。リーグを代表するストライカーたちに次ぐ数字を残しているとあって、近頃のトラオレには驚くほかないだろう。

上位クラブへとステップアップした主力の穴を埋めるために急遽コンバートされるも、新たなポジションで一気にその才能を開花させたコートジボワールのヤングタレント。まだまだその成長は止まる気配がないだけに、ハメド・ジュニオール・トラオレという男のプレイは今からでもチェックしておきたいところだ。

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