堅守速攻の「カウンター」を成り立たせる存在 “バルセロナを沈めた鎌田大地”は日本代表の救世主となる?

バルセロナ戦でアシストを記録した鎌田大地 photo/Getty images

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堅守はあるが、速攻は今の代表にはない

スペイン代表、ドイツ代表とワールドカップ・カタール大会で戦うことになった日本代表。この2カ国にポゼッションで上回るのは不可能に等しく、勝ちを目指すなら堅守速攻が定石である。

堅守速攻を実行するにあたって速攻の部分で輝けるのはスピードを持ったアタッカーたちだ。スピードとそれを最大限に生かすスペースさえあればいくら世界最高峰のチームと呼ばれる前述した2カ国でも完璧に防ぐことは難しい。今の代表でその速さを提供できるのは伊東純也だ。縦への推進力は素晴らしく、アジア最終予選ではほぼ無双状態だった。

そんな伊東とコンビを組む選手は、後方からのパスを収め、なおかつ正確なスルーパスでスピードスターを生かせる人物ではないといけない。それを高いレベルでこなせるのがフランクフルトの鎌田大地だろう。フィジカルに優れ相手を背負える選手ではないが、ライン間でボールを受けるのが上手く、相手のプレッシングが自分に届く前にパスを供給できる技術の高さを持っている。

それが証明されたのが、バルセロナとのELラウンド8だ。この試合ではシャドーの位置に入り、ライン間でパスを受けて捌くことで攻撃を活性化させており、ボールを失うことなく攻撃を前進させている。スペインの強豪バルセロナ相手でも屈せず自身のタスクをこなしており、日本代表で数少ない世界的な選手である。2ndレグではフル出場するなどスタミナも豊富であり、フィリップ・コスティッチのゴールをアシストして数字も残した。タックル成功数6回とボールを奪う術も持っており、攻守で躍動している。

問題は今の代表の[4-3-3]に当てはめることができない点だが、以前の[4-2-3-1]や森保一監督がサンフレッチェ広島時代に使っていた[3-4-3]では鎌田を起用するポジションがある。今の形を崩して鎌田を中心とするのは少しリスキーだが、堅守速攻のカウンターを成り立たせることができるのは鎌田しかいないだろう(データは『SofaScore』より)。

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