《5大リーグ全制覇》も見えてきた あらゆるクラブで成功するアンチェロッティ驚異のバランス力

レアルをCLベスト4へ導くアンチェロッティ photo/Getty Images

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決して派手な指揮官ではないが……

リーガ・エスパニョーラでは優勝へ近づき、チャンピオンズリーグではベスト4へ進出。今季のレアル・マドリードがここまで躍進すると予想していた人はどれだけいただろうか。

開幕前にレアルをチャンピオンズリーグ優勝候補に挙げる声は少なく、昨夏の補強がそこまで豪華ではなかったことから停滞を予想する向きもあった。

しかし、レアルはチャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマンとチェルシーを撃破する見事な戦いを披露。選手たちの頑張りはもちろんだが、やはり名将カルロ・アンチェロッティの手腕を称えるべきだろう。
若きFWヴィニシウス・ジュニオールの覚醒に尽力し、選手の能力を上手く引き出しながら白星を積み重ねている。

今季リーガを制覇すれば、アンチェロッティはリーグ・アン、プレミアリーグ、セリエA、プレミアリーグと合わせて5大リーグすべてを制覇することになる。

ユルゲン・クロップならゲーゲンプレッシング、ジョゼップ・グアルディオラならポゼッションを軸とした攻撃サッカーなど、現代を代表する名将には派手なイメージもある。それに比べてアンチェロッティにはそうした派手なイメージがないが、その代わりチームにバランスをもたらすのが非常に上手い。

スタープレイヤーたちのモチベーションをコントロールしつつ、堅実に勝ち点を重ねていくのだ。アンチェロッティと大きく揉めるスター選手も少なく、そのバランス能力こそアンチェロッティが監督キャリアの中で安定した成績を残せている理由なのだろう。

今季もレアルで限られた戦力を活かし、上手く若手とベテランを融合させている。これをベースに今夏キリアン・ムバッペやアーリング・ハーランドのような大物アタッカーを迎えれば、レアルの戦力はよりアップすることになる。

アンチェロッティは今回のベスト4進出により、1998-99シーズンのユヴェントス、2000年代のミラン、2010年代のレアル、そして今年と、各年代でチャンピオンズリーグ・ベスト4入りを達成したことになる。あらゆる時代のフットボールに対応してきた証でもあり、やはり世界を代表する名将なのは間違いない。

レアルの勢いを考えればチャンピオンズリーグ制覇も夢ではないが、果たして準決勝ではマンチェスター・シティをどう迎え撃つのか。

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