守備を崩壊させる3人目の動き出し プレミアで躍動するソン・フンミンらオフザボールマスター

得点力もそうだが、ソン・フンミンは動き出しに長けている photo/Getty images

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オフザボールの質は年々向上している

近年重要視されるようになったオフザボールの動きの質。ボールを持ってドリブルで突破したりパスでチャンスを演出したりするのも重要だが、動き出しで相手の陣形を乱し、そこから好機を見出すことも大事である。

「3人目の動き出しを防御することは不可能です」

英『The Athletic』ではバルセロナの指揮官であるシャビ・エルナンデスが3人目の動き出しの重要性を語っている。バルセロナの崩しの中でも3人目の動き出しは重宝されており、例えばセルヒオ・ブスケッツがボールを持った際にセンターフォワードのピエール・エメリク・オバメヤンがボールを受けに来れば、つられた相手のセンターバックの裏にスペースが生まれ、フェラン・トーレスやガビなどウイングやインサイドハーフの選手が飛び込む。そこへパスが供給されれば攻撃は成立する。

プレミアリーグでもこのスペースに走りこむ3人目の動き出しを得意とするプレイヤーは多い。例えばマンチェスター・シティのケビン・デ・ブライネがそうだ。高精度のパスやシュートなどボールを蹴ることで違いを見せられる選手だが、そのボールを蹴るにもスペースが必要である。しかし、シティは相手を押し込むことが多く、必然的に自身をマークするDFが近くなる。そうなればデ・ブライネは動き出しで相手をはがし、味方からのパスを受けるのだ。

トッテナムのソン・フンミンもこの動き出しに長けている。スピードを武器としたアタッカーであり、動き出しに合わせてパスが出てくることは多い。特に前線でコンビを組むことが多いハリー・ケインはストライカーでありながらポストプレイヤーになることもあり、DFからケインにパスが出る。ソン・フンミンはすでに動き出しており、ケインをマークするDFの裏のスペースに走り込みチャンスが生まれる。守備側とすればケインにも、ソン・フンミンにもマークを付ける必要があり、どうしても対応が遅れてしまうのだ。

ソン・フンミンやデ・ブライネは今季は二桁得点を記録しているアタッカーだが、ボールを持った時の怖さだけでなく、オフザボールでも違いを作れる選手だ。得点に多く関与している選手はこのオフザボールの動きに長けており、プレミアではボールを持っていない選手の動き出しに注目しても、レベルの高いプレイが楽しめるだろう。

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