ジェズスはプレイタイムを求めて移籍するべき? 偽9番の導入が響いてしまったブラジル代表FWの現在地

マンチェスター・シティで伸び悩んでいるガブリエウ・ジェズス photo/Getty images

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数字は残している

アーセナルのガブリエウ・マルティネッリ(20)やアヤックスのアントニー(22)など、近年ではブラジルから直接欧州に渡り、成功を収めているブラジル人FWをよく見かける。アントニーに関しては現時点では5大リーグ外でプレイしているが、エリック・テン・ハーグと共にマンチェスター・ユナイテッドへ行くのではとの話もあり、今後が楽しみな選手である。

そんな若手をしり目にキャリアの岐路に立たされている人物がいる。マンチェスター・シティのガブリエウ・ジェズス(25)である。

母国パルメイラスでプロとなり、2017年にシティにやってきたジェズス。セルヒオ・アグエロの後釜という難しい立ち位置でのスタートとなったが、17-18シーズンには13ゴール、19-20シーズンには14ゴールと得点を量産。自身の地位をチーム内で確立することになるが、チームはセンターフォワードに本職の選手を置かない偽9番の戦術を本軸に据えるようになった。そうなるとフィル・フォーデンら中盤やサイドの選手が3トップ中央の位置を任されるようになり、逆にジェズスはウイングで起用されることが増えてきた。ウイングでも一瞬での抜け出しが効果的にハマり、リーグ戦ではチーム最多である7アシストを記録している。これはケビン・デ・ブライネをも凌ぐ数字である。

しかし、使われる右サイドではリヤド・マフレズの牙城を崩せておらず、現状では控えから脱出することができていない。

偽9番の導入から、ジェズスとしては常に向かい風が吹く状態となった。裏への抜け出しで違いは見せられるものの、基本的にシティは相手を押し込むことが多く、前線にはスペースがない。そうなればドリブルでの突破やパスで違いを作れないジェズスの評価がマフレズより下がるのは必然であり、守備の強度以外の武器が効果的に発揮される場面は少なくなる。もちろん、ゴールを決めたリヴァプール戦のような試合では活躍するが、格下と相対するゲームとなれば、汎用性の高いマフレズが重宝されてしまう。

このジェズスと、ラヒーム・スターリングが来季で契約が切れることになっている。どちらも延長の噂は聞こえてくるが、具体的な報道は出ていない。

現状では来季にリーベル・プレートからフリアン・アルバレスがやってくる可能性が高い。欧州での実力は未知数だが、すでにアルゼンチン代表ではデビューしており、即戦力となる22歳のFWである。純粋な9番ともいわれているが、アルゼンチン代表ではサイドでも起用されており、ジェズスとしてはライバルの登場だ。さらにアーリング・ハーランドの獲得も話題に上がることが多く、さらに出番が減ることになる。もし、アルバレスに加え、ハーランドが来ることになれば前線は確実に人員過多であり、放出候補となるのは前述したジェズスとスターリングになる。

英『football 365』によると、バルセロナがジェズスの獲得を目指していると報じている。バルセロナはフェラン・トーレス、ピエール・エメリク・オバメヤンとプレミアからやってきたFWが成功しており、来季CLを戦うとなればセンターフォワードがオバメヤンのみというのは寂しい。そこにジェズスが来れば頼れる存在になるだろう。

アグエロの後継者としてシティにきて5年がたったジェズス。守備の強度、大一番に強い点を考えればシティは放出を拒むかも知れないが、今季はプレミアで1450分、CLでは191分と満足のいくプレイタイムは得られていない。さらにブラジル代表ではマルティネッリの招集で今回の代表には選ばれておらず、ワールドカップ・カタール大会行きが怪しくなってきた。実力はある選手であり、今後も出場機会が増えないとなれば移籍を視野に入れても仕方ないだろう。

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