「ガラスの天才」から「真の天才」になるには 今季順調にプレイタイムを伸ばす宮市亮に立ちはだかる壁

横浜F・マリノスで活躍する宮市亮 photo/Getty images

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ACLでもプレイしている

高卒でアーセナルに入団するという珍しい経歴を持つ宮市亮。2015年にはドイツのザンクトパウリでプレイしており、昨季横浜F・マリノスに加入している。プロとなったのはイングランドのアーセナルであり、20代後半にして日本のプロリーグ初挑戦となっている。

そんな宮市だが、怪我の多い選手であり期待されながらもピッチでプレイできない時期が長かった選手だ。そのため昨季F・マリノスに加わってもリーグ戦での先発はゼロであり、彼がピッチに戻ってくるのは難しいかに思われたが、今季はリーグ戦ですでに250分プレイしている。先日から始まったACLのグループステージでも初戦HAGL戦では右サイドで先発しており、フルタイム出場を記録している。

怪我の影響もあってプレイできず旬の過ぎた選手に思われていた宮市だが、ここで継続してピッチに立つことができれば非常に期待できる選手だ。全盛期ではないのかも知れないが、それでもスピードはピカイチであり、走力がある。今季リーグ戦で最も出場したサンフレッチェ広島戦では68分にベンチに下がったが、24回のスプリント数を記録している。これはフルタイム出場した小池裕太の29回に続く数字であり、攻守に躍動していた証拠である。

このようにF・マリノスでは戦力として数えられている宮市に期待したいのは、フィニッシュの精度向上とプレイのバリエーションを増やすことだ。確かに宮市のスピードは驚異的だが、アタッキングサードでのクロスの精度がそこまで高くない。HAGL戦では7本中2本しか味方に通っていない。ライバルにはエウベルや水沼宏太とクロスの名手がいるだけに目立ってしまう。また、ボールを持った際に縦への突破からクロスを供給する場面が散見されており、これに中央へのカットインからシュートなどを混ぜることができれば、相手DFとしては対処する選択肢が増え、宮市への対応がより困難になる。一瞬の速さはJリーグでもトップクラスのものを持っており、それを最大限生かすにはまだまだ工夫できることは多い。

今季のF・マリノスでは大きな離脱もなく、健康にプレイできている宮市。喜ばしいことだが、そうなれば次はクオリティを上げることが重要になる。前述したようにサイドのライバルは水沼ら実力者ばかりであり、トリコロールに身を包む宮市の活躍に期待だ(データは『SofaScore』『Jリーグ公式』より)。

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