今季のレアルはなぜこんなに粘り強い? CL3連覇も知る“黄金のベテラン勢”はツボが分かっている

モドリッチも特大の経験値を持つ1人 photo/Getty Images

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これは今のレアルしか持たない武器かもしれない

今季のレアル・マドリードは不思議なところがある。どこかバタバタとした試合運びをすることもあるのだが、なぜか終盤にビハインドを跳ね返す特別な力を発揮してくるのだ。

印象的なのはチャンピオンズリーグでの戦いで、ベスト4までの道のりはかなり厳しいものだった。ベスト16で対戦したパリ・サンジェルマンには1stレグで0-1と敗れ、2ndレグも先に1点を奪われた。前半を折り返した段階では2戦合計0-2で負けていたのだ。

それが後半にカリム・ベンゼマのハットトリックが飛び出し、逆転勝利。相手のミスもあったとはいえ、レアルはリードされても心が折れなかった。
ベスト8のチェルシー戦もそうだ。1stレグは敵地で3-1と勝利していたが、ホームで迎えた2ndレグは相手にペースを握られて一気に3点を奪われてしまった。それもチェルシーの3点目が決まったのは75分のことであり、多くの人はチェルシーが逆転でベスト4へ進むと考えたことだろう。

しかしレアルは80分にFWロドリゴ・ゴエスがゴールを決めて延長戦へ持ち込むと、またしてもベンゼマがゴール。スコアは2-3だったが、2戦合計では5-4とひっくり返してベスト4へ駒を進めた。

ベンゼマも異様に終盤に強い photo/Getty Images

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この不思議な粘りはチャンピオンズリーグだけではない。今年1月のスペイン・スーパー杯準決勝ではバルセロナと対戦し、これも延長までもつれた。そして最後に抜け出したのがレアルで、MFフェデリコ・バルベルデのカウンター弾で3-2と勝利を収めた。

リーグ戦では先日のセビージャ戦で相手に2点のリードを許しながら、そこから3点を奪ってひっくり返してみせた。この粘りは実に不思議である。

スムーズな展開とは言えないかもしれないが、粘り強さの理由の1つは経験値にあるのかもしれない。ベンゼマ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチ、カゼミロ、ナチョ・フェルナンデス、ダニエル・カルバハルなど、ベテラン勢は勝負のツボを抑えている。

ベンゼマやモドリッチ、クロースらはレアルでチャンピオンズリーグ3連覇など長きにわたってチームを支えており、時間が生み出してくれる特別な連携や感覚があるのだろう。なぜここまで粘り強いのかはっきりとした理由を見つけるのは難しいが、今季の彼らが見せるカムバック力は特別だ。不思議とも言える粘り強さなら、現世界一と言っても大袈裟ではないだろう。

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