ゴールまでの流れがアザールにそっくり? 4試合で6点に関与するチェルシーFWは完全復活したのか

シーズン終盤にきて躍動中のティモ・ヴェルナー photo/Getty images

オフザボールの動きはさすがだ

レアル・マドリードとの2ndレグには勝利するも、2戦合計4-5とラウンド8で姿を消したチェルシー。さらにプレミアリーグではアーセナルに2-4と敗れており、昨季あった安定した強さは見せられていない。それでも、チームの苦しい事情とは反対に、好調の選手がいる。FWティモ・ヴェルナーだ。

2020年にライプツィヒから移籍し、決定力のなさを指摘されることになるも、CL優勝を経験したドイツ代表FW。しかし、今季はロメル・ルカクの加入や怪我、新型コロナウイルスの陽性反応が出てしまうなど、難しいシーズンであり、リーグ戦ではここまで981分しかプレイしていない。チーム内での序列低下もあって移籍も噂されるほどだったが、直近4試合で4ゴール2アシストを記録。頼れる点取り屋としてチームを支えている。

黒星となったアーセナル戦でもヴェルナーは輝いていた。この試合はルカクとの2トップで試合に臨んでおり、ルカクが中央、ヴェルナーがサイドで比較的自由に動くものだった。この起用法がヴェルナーにマッチしており、彼が3人目として各局面のパスワークに加わることでサイドから攻撃を活性化させている。オフザボールの質が高く、ヴェルナーの強みが出る試合となった。

また、得点シーンでは相手がディフレクションしたシュートがゴールネットを揺らしている。好調なのかヴェルナーの思い切りの良さが出ており、左サイドからカットインをして右足を振り抜く場面ではSNS上で「ヴェルナーがアザールに見えた」とチェルシーからレアル・マドリードへ移籍した元エースであるエデン・アザールと姿を重ねる声が多かった。確かに左サイドから中に切り込み、そこからのシュートやパスはアザールの十八番であり、懐かしい記憶が蘇ったのだろう。

ゴールを決めたということもあって英『football.london』での評価はメイソン・マウントと同じく10点中7点と高く、「ゴールを奪い、守備に奔走するエネルギーの塊であった」と攻守両面への貢献があったと称賛されている。

21-22シーズンも終盤だが、今後はヴェルナー、カイ・ハフェルツの並びが鉄板となるか。やはりルカクはまだ完全にチームにフィットしておらず、ハフェルツが入った後半はより攻撃が流動的になり、怖さを見せていた。リーグ戦ではCL出場権を獲得できる4位以内はほぼ確実であり、5月14日に開催されるFAカップ決勝リヴァプール戦に備えたい。

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