シティとの相性は年々悪くなっている? ミランが興味を示すイングランド代表FWが移籍するべき理由とは

バルセロナに続き次はミランからの移籍報道が出たラヒーム・スターリング photo/Getty images

移籍となれば大きな金額が動くことになる

今季は40試合に出場して14ゴール7アシストを記録しているラヒーム・スターリング。決して悪い数字ではないが、現状チーム内での序列はそこまで高いものではなく、獲得濃厚とされるアーリング・ハーランドや来夏からトップチームに合流するといわれているフリアン・アルバレスの加入でその序列はさらに苦しいものとなるか。

イタリアメディア『Gazzetta dello Sport』によれば現在セリエAの首位を走るACミランがスターリングの獲得に興味を示しているという。報道によればシティは十分な金額のオファーがあれば放出に応じる姿勢であると見られており、移籍はミラン次第ということになる。以前バルセロナがスターリングに興味を向けていた時期の報道では、4500万ポンド(日本円にして約75億円)以上であれば放出するとの話があり、簡単に出せる金額ではないが、今後の動向に注目したい。

イングランド代表FWとしてこの移籍は自身の今後に有利に働く可能性が高い。それは前述したシティでの序列低下もあるが、スターリングの強みとシティのスタイルのかみ合いの悪さが近年は見られている。

シティは2016年にジョゼップ・グアルディオラ監督を招聘してからポゼッションのスタイルを貫いてきたが、近年はよりポゼッションに比重を置いている印象が強い。以前からもそうであったが、スターリングが18ゴール、17ゴール、20ゴールと得点を量産していた17-18シーズンから19-20シーズンはポゼッションの中にも縦への速いカウンターが取り入れられていた。バイエルン・ミュンヘンへ移籍したレロイ・サネがシティに在籍していた2020年まではそれが顕著であり、右にスターリング、左にサネを配置し、ケビン・デ・ブライネのパスで高速カウンターを仕留めるシーンが何度も見られた。スピードに乗った状態での強さを持つスターリングとしてはそれが自分に合っており、前述したように得点を量産できている。

しかし、現状ではよりポゼッションに特化したスタイルとなっている。これはより前線でプレイすることで失点のリスクを減らせること、サネが退団したことで分かりやすいスピードスターが減ったことが主な要因だと考えられる。スターリングは狭いエリアでも打開できるスキルを持ってはいるが、前を向いてボールを受ける機会が減ったことで対策が簡単になってしまった。

ミランもポゼッションのスタイルで戦うこともあるが、シティほどに相手を押し込むことはない。リーグでの平均ポゼッション率が68%のシティに対し、ミランは54%と10%以上違う。ミランの実力者を抑えてスターリングが継続してピッチに立てるかはまた別の話だが、自身にあったスタイルのチームで戦うほうが結果は出る可能性が高く、移籍となれば19-20シーズンのリーグ戦20ゴールが再び見られるかもしれない(データは『SofaScore』より)。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.299 フリック・バルサ徹底分析

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ