“32歳”にして初のEL本大会で大暴れ 遅咲きのフィジカルモンスター・アントニオ覚醒の時

ウェストハムを前線から引っ張るマイケル・アントニオ photo/Getty Images

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EL準決勝1stレグでも得点

サッカー選手のキャリアとしては遅咲きだったかもしれないが、30代に入ってから覚醒の時を迎えているアタッカーがいる。

今季ウェストハムのヨーロッパリーグ・ベスト4進出にも大きく貢献するFWマイケル・アントニオ(32)だ。

アントニオは2015年からウェストハムでプレイしている選手だが、若い頃はそこまで有名ではなかった。2008年にイングランド2部のレディングと契約を結んでからは、コルチェスター・ユナイテッドやシェフィールド・ウェンズデイなど3部相当のリーグ1でプレイを続け、2014-15シーズンからは2部のノッティンガム・フォレストへ。
2015年にウェストハムへ移籍し、そこでようやくプレミアリーグの舞台へ足を踏み入れることになった。2部では142試合、3部では66試合をこなしており、プレミアリーグの舞台へ辿り着くまでにかなり時間がかかってしまった印象だ。

ただ、アントニオはパワーとスピードの両方を備えたフィジカルモンスターでもある。今も32歳にはなったが、その身体能力に衰えは見られない。プレミアリーグでも屈指のフィジカルモンスターとして相手DFの脅威となっており、まさに今が全盛期だ。

ウェストハム加入当初はサイドバックやウイングなどワイドなエリアでプレイする機会が多かったが、今ではセンターフォワードがメインポジションに変わった。その馬力溢れるプレイスタイルは指揮官デイビッド・モイーズの理想に合っており、実にイングランドらしい選手と言える。

2019-20シーズンには初のプレミア二桁得点を達成し、昨季も同じく10得点を記録。今季も8得点を挙げていることに加え、キャリアで初となるヨーロッパリーグ本大会の舞台も経験中だ。30代に入ってからのアントニオはかなり充実したキャリアを送っている。

2021年にはジャマイカ代表デビューも果たした。本人はイングランド代表でのプレイを望んでいたようだが、イングランド代表はタレント揃いだけに仕方がない。とはいえ、今の活躍を見ればアントニオもイングランド代表にとって貴重なピースになったのではないか。

怪我が少ないのも特長的で、今季も決して層が厚いとは言えないウェストハムの前線を懸命に引っ張ってきた。ヨーロッパリーグでは決勝トーナメント開始当初よりウェストハムを優勝候補の一角に挙げる声があったが、これもアントニオの影響が大きい。その予想通りベスト4まで駒を進めており、ここまでくれば頂点に立ちたい。32歳にして全盛期を迎えたアントニオがそのカギを握っており、2ndレグでも反撃に期待だ。

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