190cm越えDFらを中心に34試合で失点数はわずかに“1” リヴァプールに追走されるも負けないシティの強みとは

191cmの長身を武器に守備で輝くアイメリック・ラポルト photo/Getty images

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ラポルトとロドリは共に190cmを超えている

21-22シーズンの最終盤になってもリヴァプールの追い上げがあり、リーグ戦では気の抜けないマンチェスター・シティ。プレミアリーグでは首位だが、2位のリヴァプールが1ポイント差で追走してきており、どの試合もプレッシャーのかかるゲームとなる。

そんなシティは先日、アウェイゲームでリーズ・ユナイテッドと対戦。結果は4-0と圧勝となったが、前半は苦戦する展開となった。このゲームではCLレアル・マドリード戦を見据えてケビン・デ・ブライネ、ベルナルド・シウバ、リヤド・マフレズらキープレイヤーを温存している。その中で特に不在を感じたのはシウバだ。シウバは豊富な運動量を武器に攻守で躍動するタイプで、ここ最近はビルドアップで重要なタスクを担っている。しかし、リーズ戦ではベンチスタートであり、リーズのハイプレスもあってビルドアップが上手く機能しなかった。そのため、シュートカウンターを食らい続けており、攻撃が組み立てられない悪循環に陥っている。

が、最終的には4-0と大差で圧勝しており、苦戦したのは前半だけだった。そうなったのはセットプレイで強さを見せられたことが大きい。先制点は13分のロドリで左サイドからのフリーキックをフィル・フォーデンが蹴り、ロドリが合わせてゴールを決めている。これでプレイに余裕が生まれると、54分も同じくフォーデンがボールを供給するセットプレイからネイサン・アケが追加点を挙げている。2点差となるとさすがのリーズも勢いをなくし、イージーな展開となり、シティが勝利を収めた。

リーズ戦でもそうだが、今季のシティはセットプレイ絡みでのゴールが多い。英『The Athletic』によればセットプレイからの得点数は18ゴールでリーグ最多、失点数は1ゴールのみでリーグ最少の記録を残している。その唯一の失点は14節アストン・ヴィラ戦でのオリー・ワトキンスの右サイドからのコーナーキックを決められた形であり、それ以外は防いでいる。

セットプレイからの得点数は19-20シーズンが17ゴールであったように得点数の大きな変化はないが、素晴らしいのは失点数だ。昨季は7失点、一昨季も7失点、その前のシーズンに至っては9失点しているが、今季の失点数はたったの1点だ。これは歴代で見ても素晴らしい数字で、最後までシティとデッドヒートを繰り広げた18-19シーズンのリヴァプールでも8失点、マンチェスター・ユナイテッドが最後にリーグ制覇を成し遂げた12-13シーズンでさえ9失点と多い。

年々失点数が減っていったのは、長身選手の存在が大きく影響しているか。アイメリック・ラポルトとジョン・ストーンズはそれぞれ191cmと188cmとサイズがある。ルベン・ディアス、ネイサン・アケらも190cmに届くほどの長身ではないが、空中戦が強い。これはジョアン・カンセロも同じであり、直近のリーズ戦ではディアスが2回、カンセロが3回、アケが2回の空中戦勝利を記録している。また、アンカーを務めるロドリはラポルトと同じく191cmであり、彼ら相手に空中戦で圧倒するのはそう簡単なことではない。また、今季からU-18のチームから昇格したカルロス・ビセンテがセットプレイコーチを務めており、攻撃時はデザインされたプレイが何度も見られている。

以前アヤックスの監督であるエリック・テン・ハーグがペップに対し「彼はプレミアリーグのパワーとスピードを完全に過小評価している」と『Voetbal International』でコメントしている。そこからペップはラポルトやロドリのようなパワーと上手さを備える後方の選手を獲得しており、現在の成功につなげている。

地上戦での得点力も素晴らしいが、今季は空中戦でも弱さを見せないシティ。特にリーズ戦での1ゴール、2ゴール目はそれが顕著に表れており、今後の終盤戦ではよりセットプレイの強さが重要になりそうだ(データは『SofaScore』より)。

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