2人で総得点73ゴールの半分以上を占める大活躍 19-20シーズン以来のリーグ制覇を成し遂げたレアルが強かったわけ

今季のレアル・マドリードをけん引したカリム・ベンゼマ photo/Getty images

バルセロナの不調も要因の一つだろう

2位のバルセロナに大差をつけ、リーガ・エスパニョーラ制覇を成し遂げたレアル・マドリード。今季はセルヒオ・ラモス、ラファエル・ヴァランの放出、補強はダビド・アラバ、エドゥアルド・カマヴィンガの2人のみと最低限の補強だっただけに難しいシーズンになるかと思われたが、カルロ・アンチェロッティ監督が上手くチームをまとめ上げ、19-20シーズン以来のリーグタイトルを手にしている。

CLでもマンチェスター・シティに内容では圧倒されるも、最終的には3-4と食らいつくように今季のレアルは粘り強い。シティ戦は相手の決定力不足に助けられたが、守護神ティボー・クルトワのビッグセーブや大ベテランルカ・モドリッチの躍動で致命傷にならずに済んだ。

英『The Athletic』では「レアル・マドリードがどうやってリーガのタイトルを取り戻したのか」という特集を組んでおり、そこではライバルであるバルセロナの不調、アンチェロッティ監督の手腕、クルトワ、モドリッチらの活躍に触れられているが、攻撃面で大きな存在感を放ったカリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオールのコンビの活躍が最大の理由であると語られている。

昨季もリーグ戦34試合で23ゴール9アシストと素晴らしい数字を残したベンゼマ。今季はまだリーグ戦では30試合しか消化していないが、すでに26ゴール11アシストと前年の数字を更新している。今季は相棒であるヴィニシウスの躍動もあってベンゼマは凄みを増している。ボックス内での強さは相変わらずで、味方をサポートする動きに磨きがかかっている。34歳と年齢的にはピークを過ぎたのかと思いきや、今が彼の全盛期である。

今季リーグ戦だけで14ゴール9アシストを記録するヴィニシウスの活躍も予想外であった。昨季はドリブルでの突破力はあるもフィニッシュの精度を欠いてしまっていた。そのため、リーグ戦では35試合に出場するも、3ゴール3アシストのみ。得点力を考えても計算できるアタッカーではなかったが、今季はフィニッシュ精度を改善し、倍以上の数字を記録。今季と昨季でプレイタイムの差はあるが、総シュート数40本、枠内シュート15本3ゴールから総シュート数72本、枠内シュート数38本14ゴールとオンターゲットへの精度を上げている。ベンゼマとの関係性も高まり、今では欧州屈指のコンビだ。リーグ戦では2人で40ゴールを挙げており、総得点数73点の半分以上を占めている。

獲得が噂されていたキリアン・ムバッペ並の選手になるなど今季は目覚ましい成長を遂げたヴィニシウス。彼とベンゼマのコンビの躍動がリーグ優勝に貢献しているのは間違いなく、彼らにパリ・サンジェルマンからムバッペが加われば止めることは至難の業となる(データは『SofaScore』より)。

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