“ペップ×ポグバ”でどのような化学反応が起きる? シティが中盤の獲得候補にフランス代表MFを追加か

マンチェスター・シティ行きに前向きだと伝えられたポグバ photo/Getty images

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攻撃力は魅力的だ

今季でチームの最古参であるフェルナンジーニョが退団することになったマンチェスター・シティ。アンカーに加えてセンターバック、時には右サイドバックで起用可能なユーティリティ性は素晴らしく、絶対に抜かれてはならない守備の場面ではファウルで止められる判断力を持っているプロフェッショナルだ。

そんな大ベテランが退団となれば、その穴を埋める必要があり、バルセロナのフレンキー・デ・ヨング、ウェストハムのデクラン・ライス、スポルティングCPのマテウス・ヌネスが主に獲得候補として報道されていた。そんな中で新しい候補としてマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバの名前が挙げられている。英『manchester evening news』によると、今季でフリーとなるポグバに対し、ジョゼップ・グアルディオラ監督は獲得を希望しており、4年契約にプラスして1年間の延長オプションが付く形でオファーされるという。問題はポグバの高すぎる給料だが、ポグバ自身は移籍を希望しており、減俸も受け入れるのではとの予想がされている。

中盤であれば基本どのポジションでも起用可能なポグバは今のシティが求める中盤像にマッチしている。アンカーはフェルナンジーニョが退団するも、現状スタメンのロドリは怪我が少なく、1シーズン計算できるプレイヤーだ。もちろん、どこかで休ませる必要はあるが、そこでポグバやイルカイ・ギュンドアン、若手のロメオ・ラヴィアで穴埋めができれば十分である。

強みはボールを持った際のアイデアの豊富さだ。推進力のあるドリブルで運ぶこともできれば、創造性のあるパスでチャンスメイクもできる。パンチ力のあるミドルシュートも武器であり、今季は1試合で4アシストを記録する離れ業をやってのけた。今季は中盤から終盤にかけてパフォーマンスの落ちる時期もあったが、フランス代表ではワールドクラスの輝きを放っており、エンゴロ・カンテという守備職人がいれば活躍できることは証明されている。

気になる点とすれば稼働率の低さとモチベーションのコントロール、シティで誰がカンテの役割をこなすかになる。昨季と今季は続けてハムストリングを痛めており、今季はそれで14試合を欠場している。ハムストリングの負傷は再発することが多いといわれており、思うように起用できない可能性がある。

モチベーションの管理はポグバを扱う上で確実に必要となることだ。素晴らしい選手だが、ユナイテッド移籍後それほど評価されていないのは試合ごとに安定したパフォーマンスを見せられないからだ。前述したようにその試合で4アシストをすることもあれば、ゴールにもアシストにも関与できない試合がある。守備をする日、積極的ではない日もあり、扱いはとても難しい。

次に守備だが、同じピッチ内にベルナルド・シウバがいればカンテのような働きが期待でき、ポグバはより攻撃に集中できる。しかし、シウバではなく、ケビン・デ・ブライネだったら、イルカイ・ギュンドアンだったらと考えると安心はできない。もちろん、デ・ブライネもギュンドアンも守備に献身的なプレイヤーだが、誰かをカバーできるほどではなく、ポグバ自身の意識改革は絶対に必要になる。

明確なリスクはあるが、改善する手立てはあるシティ。インサイドハーフに加えてアンカーができ、さらに移籍金がかからないとなればお買い得である。ユナイテッドではすでに旬の過ぎた選手となってしまっているが、シティ移籍で評価復活となるのだろうか。

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