開幕から4戦で1勝だったシャルケが1年で1部返り咲き 独紙が分析する“板倉、テロッデら0円移籍組”の功績

シャルケ昇格に貢献した板倉滉 photo/Getty images

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監督交代も昇格を決めた要因だ

過去には内田篤人氏がプレイし、欧州最高峰の舞台でもあるCL出場の経験を持つシャルケ。しかし、ドイツの古豪は近年低迷しており、昨季は18位で2部へ降格となった。

1年での1部復帰に向けて再スタートを切った21-22シーズンだが、初戦でハンブルガーSVにまさかの敗戦。続く2戦目では何とか初勝利を飾ったが、3戦目、4戦目と勝てず開幕4試合で1勝1分2敗と最悪のスタートを切ってしまった。だが、そこから何とか上昇気流を掴み、先日のザンクトパウリ戦での3-2の勝利で1部復帰を決めた。

独『kicker』ではシャルケの昇格を称賛しつつ、なぜ昇格できたのかを分析している。そこでは熱狂的なファンの存在、シーズン途中からチームを指揮した有能なマイク・ビューケンス新監督の手腕など様々な考察が行われているが、各ポジションに配置された主力プレイヤーの働きを一つの要因としている。それはDFトーマス・ウーワイアン、FWシモン・テロッデ、そして日本代表のDF板倉滉の3人だ。

今回のシーズンオフでは2部降格ということもあって複数の主力を放出している。それは10名以上であり、約半数がチームを離れることになったが、ローンを含めチームに合う優秀な選手を多く獲得している。板倉含む前述した3人は今夏からシャルケに加わったプレイヤーである。

ウーワイアンは保有元がオランダのAZであり、今季ローンでやってきた。ウイングバックやサイドバックと左サイドのスペシャリストとしてチームに貢献。8アシストと積極的な攻撃参加で左サイドを活性化させており、今季大きく評価を高めた人物である。

テロッデはドイツのクラブを渡り歩くベテランで34歳のストライカーだ。長く2部でプレイしており、昨季はハンブルガーで24ゴールを記録。その前はケルンで29ゴール、シュツットガルトで25ゴールと2部では継続して結果を残しているスコアラーで、今季フリーで加わったシャルケでも29ゴールを決めて昇格に貢献している。そのため、何度もクラブを1部に昇格させているが、1部に上がった翌シーズンは2部ほどの勢いは見られず、来季は少し心配だ。

そして最後に板倉だ。マンチェスター・シティに保有されている日本代表プレイヤーであり、今夏にチームにローンで加わっている。フローニンヘンでもやっていた3バックがチームの軸であったことも追い風となり、3バックの中央でポジションを得ると攻守に躍動。一つポジションを上げたダブルボランチの一角でもプレイするようになり、DFながらリーグ戦では4ゴールを決めている。シャルケは完全移籍での買い取りを目指しており、続報を待ちたい。

テロッデはフリー、ウーワイアンと板倉はローン移籍と0円獲得でやってきた3人が大活躍し、シャルケは昇格を果たした。クラブに必要な人材をしっかりと把握し、目当ての選手を獲得できたクラブフロントの腕も称賛されるべきであり、22-23シーズンのシャルケの活躍にも期待だ。

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