現時点で総得点数トップは23点のF・マリノス ボールをアタッキングサードまで運ぶ展開力の“再現性”が強み

横浜F・マリノスを率いるケヴィン・マスカット監督 photo/Getty images

上手く整備されている

ケヴィン・マスカット体制2季目の横浜F・マリノス。開幕戦はセレッソ大阪相手に2-2と躓くもそこから好調を維持し、12試合を消化して7勝3分2敗で勝ち点24ポイントのリーグ3位となっている。ACLではグループステージ首位通過となっており、上々の滑り出しを見せたといっていい。

そんなF・マリノスは14日にアウェイで湘南ベルマーレと対戦。結果4-1とリーグ屈指の攻撃力を見せつけ、白星を挙げている。

快勝となった湘南戦だが、F・マリノスの強みと弱みの両方が見られたゲームとなった。まず、弱みはハイプレスへの対応だ。今季は相手の積極的なプレッシングをいなせない場面が多く見られており、0-2で敗れたサンフレッチェ広島戦の敗因はまさにそれだ。ボールを前進させられず枠内シュートはゼロ本に終わっている。

湘南戦でも開始直後からハイプレスを受けることに。序盤は高丘陽平のビッグセーブもあって失点は防げたが、ビルドアップでは良さを見せられず難しい90分になると思われた。

だが、相手のミスから先制点を奪うと、湘南が少し重心を下げ続く20分には完璧なボールの運びから小池龍太が追加点をゲット。ここからは序盤の劣勢を感じさせない勢いを見せ、59分、91分に追加点を挙げて計4ゴールでの快勝となった。

F・マリノスの強みはこの劣勢でも多くのチャンスを生み出せる展開力にある。守護神・高丘陽平やセンターバックのエドゥアルドや角田涼太郎はパスが出せる守備者となっており、彼らがサイドにパスを供給する。そこから前線のアンデルソン・ロペス、もしくはレオ・セアラが起点となり、一気に仲川輝人もしくは水沼宏太のサイドに展開する。この一連のプレイの再現性が非常に高い。問題はこのアタッキングサードでの崩しだが、湘南戦では右サイドの水沼がヒーローとなった。水沼は仲川や宮市亮に比べスピードはないが、正確なパスでチャンスメイクできる。この能力の高さはピカイチであり、アタッキングサードで違いを生み出すのはいつもこの水沼かマルコス・ジュニオールだ。キーパス数も15本と19本とチーム上位の成績であり、貢献度はスタッツに表れている。

首位鹿島に比べ消化試合数は1試合少ないが、得点数は23ゴールでリーグトップのF・マリノス。それを支えているのは展開力、そして崩しがしっかり整備されているからであり、マスカット監督の手腕と選手たちの技術の高さはより評価されるべきだ(データは『SofaScore』より)。

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