破産&4部相当降格の悪夢から“10年” レンジャーズのEL決勝進出を誰が予想したか

ヨーロッパリーグでミラクルを起こすレンジャーズ photo/Getty Images

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スコットランドリーグに戻った競争

18日、スコットランドのレンジャーズはヨーロッパリーグの頂点をかけてドイツのフランクフルトと激突する。

レンジャーズといえばスコットランド国内ではセルティックと並ぶ古豪の1つであり、両クラブの実力は常に他を圧倒してきた。しかし、今から10年前の2012年に多額の負債を抱えたことからクラブが破産し、2012-13シーズンを4部相当となるスコティッシュ・フットボールリーグ・サードディヴィジョンから再出発することになったのも忘れてはいけない。

多くのサポーターは当時の処分に心が折られたことだろう。4部相当からの再出発はあまりにも重すぎる。チームからはMFスティーブン・ネイスミス、FWカイル・ラファーティー、MFスティーブン・デイビスといった長年の主力が退団(スティーブン・デイビスは現在レンジャーズに復帰している)。チーム力低下は避けられなかった。
それでもレンジャーズは4シーズンかけて1部へ復帰し、昨季にはスティーブン・ジェラードの下で無敗優勝を達成。

2010-11シーズンぶりにセルティックから王座を奪い返すことになり、スコットランド国内リーグに再びライバル関係が戻ってきた。この10年で実現したスピード復帰は見事であり、そして今季はヨーロッパリーグ決勝進出だ。10年前は誰もこのストーリーを思い浮かべていなかったはずだ。

スコットランド1部リーグを55回制覇してきたレンジャーズも、国際タイトルは1972年に獲得したUEFAカップウィナーズカップの1回のみ。今回のヨーロッパリーグ決勝はレンジャーズだけでなく、スコットランドサッカー界にとっても大きなチャレンジだ。

今季は国内リーグこそセルティックに譲ったが、また来季からは激しい優勝争いが展開されるだろう。10年の時をかけた復活劇により、スコットランドのフットボールは再び盛り上がりを取り戻している。

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