“鉄人タイプ”が多すぎる不思議 ペリシッチ、モドリッチ、ラキティッチら走りまくるクロアチア戦士たち

世代を代表するペリシッチとモドリッチ photo/Getty Images

30代に入っても衰えない怪物級の運動量

今も代表メンバーに残っている者は多いが、2018年のワールドカップ・ロシア大会で準優勝の成績を残したクロアチア代表は特別だった。実力はもちろんだが、不思議なことに鉄人タイプの選手が多いのだ。

レアル・マドリードで圧巻の存在感を放つ36歳のMFルカ・モドリッチはその代表例だが、30代半ばを迎えても衰えの色は見られない。テクニックだけでなく、豊富な運動量も備えている。大きな怪我も少なく、その体の強さも称賛される理由だ。

同じスペインでは、セビージャMFイヴァン・ラキティッチもそうだ。すでに代表引退を表明しているが、おそらくはまだ代表でプレイできるはず。2012-13シーズンからシーズン40試合以上出場を継続しており、バルセロナ在籍時は2019-20シーズンを除く全シーズンで50試合以上こなしている。34歳を迎えた今季もここまで45試合に出場しており、ラキティッチもモドリッチと同じく怪我が少ない。

セリエAで優勝争いに絡むインテルでは、MFマルセロ・ブロゾビッチとイヴァン・ペリシッチがいる。中盤の底に構えるブロゾビッチは現在のセリエAでもトップクラスの運動量の持ち主として有名で、12kmや13km走る試合も珍しくない。

ウイングのペリシッチも運動量は怪物級だ。今月11日に行われたユヴェントスとのコッパ・イタリア決勝ではその運動量を存分に発揮し、延長戦に入ってからチームの勝利を決める2ゴールを奪取。そのあり得ない運動量にはチームメイトのDFアレッサンドロ・バストーニも何を食べているのかと不思議がっていたほどだ。

今季のインテルを振り返ると、出場時間が最も長いのはGKサミール・ハンダノビッチで4470分、2位はDFミラン・シュクリニアルで4290分、3位がブロゾビッチで4004分、4位がペリシッチで3838分となっており、クロアチアのコンビは恐ろしい。ペリシッチも33歳とベテランの領域には入っているが、衰えはまるで感じられない。成績も今季はリーグ戦で7得点7アシストと見事だ。

チェルシーではMFマテオ・コバチッチが奮闘しているが、コバチッチも毎シーズン稼動率は高い。チェルシーではここまで毎シーズン40試合以上に出場しており、競争の激しかったレアル・マドリードでも30試合以上出場は継続できていた。

やはり長く活躍するには怪我の少ない体を作る必要があり、その点もこのクロアチア世代は特別だ。延長戦に入っても走り切れる鉄人が揃っていたことも、2018年大会での躍進に繋がったのだろう。

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