ハインケス・バイエルンとフリック・バイエルンはどちらが強い? “CL連覇”も狙えた10年前の記憶

2012-13シーズンのCLを制したバイエルン photo/Getty Images

悪夢のPK戦からちょうど10年

ちょうど今から10年前の2012年5月19日、悲劇のPK戦を覚えているだろうか。この日は2011-12シーズンのチャンピオンズリーグ決勝が行われ、チェルシーがバイエルンをPK戦の末に撃破した。

試合前の評価も、実際の試合内容もバイエルンがチェルシーを上回っていたのは間違いない。バイエルンはこのファイナル120分間で実に35本ものシュートをチェルシーに浴びせており、一方のチェルシーは120分で9本に留まった。そのうち枠内に飛んだのは3本だ。

しかし、その1本がFWディディエ・ドログバの劇的同点ゴールだった。延長戦も必死に耐え、PK戦ではバイエルンのイビツァ・オリッチとバスティアン・シュバインシュタイガーが失敗。チェルシーがドラマティックな展開で頂点に立った。

ただ、当時のバイエルンが凄かったのは次の2012-13シーズンに圧倒的な力でチャンピオンズリーグを制してしまったところにある。仮定の話にはなってしまうが、ユップ・ハインケス率いる当時のバイエルンはチェルシーにさえ勝っていればチャンピオンズリーグ連覇も果たせたはず。そう思わせるほど当時のハインケス・バイエルンは強かった。

フランク・リベリ、アリエン・ロッベンを中心に、恐ろしく速い攻守の切り替えで相手を圧倒。2012-13シーズンは決勝トーナメント・ベスト16第2戦のアーセナル戦こそ0-2で落としたが、準々決勝ではユヴェントスを2戦合計4-0、準決勝ではバルセロナを2戦合計7-0と粉砕。決勝では同じドイツのドルトムントを2-1で撃破し、2011-12シーズンのリベンジを果たすことになった。

当時のバイエルンは3冠を果たしているが、クラブは2019-20シーズンにもハンジ・フリックの下で3冠を達成している。フリックのチームもロベルト・レヴァンドフスキを中心に強力なチームだったが、果たしてハインケス・バイエルンとどちらが強いだろうか。当時はフィリップ・ラームやシュバインシュタイガーといった渋い実力者もおり、ハインケス政権の方を支持するファンも少なくないだろう。

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