伊藤、板倉、奥川、鎌田にデュエル王・遠藤も大暴れ 今季のブンデスはサムライたちが大当たりだった

シュツットガルトで予想以上の活躍見せてくれた伊藤 photo/Getty Images

常連組の活躍に加えて若手たちも急成長

今やドイツ・ブンデスリーガで日本人選手が活躍する姿も珍しいものではなくなったが、今季は特に収穫の多いシーズンだったと言えよう。

若手では、シュツットガルトでDF伊藤洋輝が活躍するサプライズがあった。ジュビロ磐田からレンタルでシュツットガルトに加わった伊藤は驚くほど早くチームにフィットし、今月には日本代表メンバーに初招集された。日本にレフティーのセンターバックが生まれたのは大きい。シュツットガルトへの完全移籍も決まり、来季さらなる活躍に期待がかかる。

2部にはなるが、シャルケで1部昇格に貢献したDF板倉滉も大きく成長した選手だ。すでにA代表では常連になりつつあるが、中盤とセンターバックの両方をこなせるのは魅力的だ。2部とはいえドイツの地でシーズン通して戦えたことは自信になったはずで、伊藤とともに長く代表を引っ張ってほしい。来季の去就は気になるところだが、もう十分に5大リーグの1部でプレイできる実力だ。

他にはシュツットガルトでMF遠藤航が残留に貢献する劇的ゴールを決めたことに加え、今季もブンデスリーガのデュエルキングに輝いた。ブンデスリーガを代表する守備的MFの1人と言っていいはずで、デュエルキングの結果に驚かなくなっている日本のサッカーファンも多いはず。感覚が麻痺してくるが、フィジカルに難ありとされてきた日本人選手がブンデスリーガでデュエルキングになっているのは特別なことだ。

攻撃面ではヨーロッパリーグ制覇にも貢献したフランクフルトMF鎌田大地も印象的だ。今季はややスロースタートだったが、ヨーロッパリーグではチームトップとなる5ゴールを記録。その創造性は現日本代表でも特別なレベルにあり、何とか日本代表でもその力を引き出したい。

奥川も存分に才能を示した photo/Getty Images

今回は代表に招集されていないが、アルミニア・ビーレフェルトで奮闘したMF奥川雅也も忘れてはならない。チームは2部への降格が決まってしまったが、その苦しい事情の中で奥川は8ゴールを記録。惜しくも二桁には届かなかったものの、ブンデスリーガで通用することは証明された。スペースに顔を出す力に加えて得点力も高く、少ないチャンスを活かせる貴重なアタッカーだ。もう少し上のレベルのクラブでプレイできれば、ブンデスリーガ二桁得点も狙えるのではないか。奥川も今季飛躍した選手の1人だ。

代表の常連メンバーでは、ウニオン・ベルリンの原口元気も奮闘した。ポジションを中央へ移しながら、今季は2得点6アシストを記録。最近の代表戦ではスタメンに入り切れないところがあるが、経験も運動量も豊富なユーティリティプレイヤーとして頼りになる存在だ。クラブは来季のヨーロッパリーグ出場権をゲットしており、チームの方も充実のシーズンを過ごすことができた。



2010年代よりブンデスリーガは日本人選手が多数活躍する場になっており、今季もフレッシュな若手から経験豊富な選手まで活躍が目立った。ブンデスリーガの各クラブも日本人選手のクオリティは認めているはずで、中堅クラブを中心に日本人選手に目を向けるところも増えてくるだろう。日本人選手にとっても5大リーグでの戦いは貴重で、ブンデスリーガでの活躍が日本代表のレベルアップに繋がっているところもある。来季も日本人選手のさらなる活躍に期待したい。

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