マフレズの後継者かB・シウバの後継者か FWでもMFでもハイクオリティを提供できる21歳は“何者”になる?

シーズンを重ねるごとに成長を見せるフィル・フォーデン photo/Getty images

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楽しみな選手である

先日、プレミアリーグの年間での最優秀選手と若手最優秀選手の2部門の受賞者が発表された。どちらも今季の優勝チームであるマンチェスター・シティから選出されており、ケビン・デ・ブライネとフィル・フォーデンが受賞している。フォーデンは2季連続となっており、「才能ある若手選手がたくさんいるので、また受賞できて本当に光栄だよ」とシティの公式サイトにコメントを残している。

ダビド・シルバの後継者としてアカデミーから昇格してきたフォーデン。期待の若手から頼れる主力に成長しており、今季は45試合で14ゴール11アシストをマークしている。

彼の強みはバランスよくどの能力にも長けている点だ。スピードを生かしたドリブルでボックス内に侵入したかと思えば、次のプレイでは抜かずに高精度のクロスを供給する。彼が違いを見せるのはアタッキングサードだけでなく、ミドルサードではビルドアップでも効果的な働きを見せる。もちろん、守備は献身的であり、隙がない。

プレイできるポジションは多く、右ウイング、左ウイング、センターフォワード、インサイドハーフと現状4つのポジションでプレイしている。どのポジションも高水準でカスタマイズ性能が高い。

来季はアーリング・ハーランドとフリアン・アルバレスといった2人の純粋な9番がチームに加入する。そのため、フォーデンが今季のように偽9番で起用される機会は少なくなるだろう。

フォーデンは大きな可能性を2つ秘めている。それはリヤド・マフレズの後継者になるか、ベルナルド・シウバの後継者になるかだ。

マフレズは契約延長の可能性があるようだが、クラブとの契約は2023年までだ。彼がいなくなれば右サイドから切り込むドリブラーがいなくなる。この役割をフォーデンがこなすことは可能だ。普段は利き足と同サイドの左で起用されているが、右に流れた際は利き足の左から積極的にシュートを放つ。これが非常に高精度であり、彼を今後右ウイングとして育てるのも悪くない。

シウバとの契約は2025年までだが、本人は母国ポルトガルへの復帰を希望している。実際に今季のはじめも移籍の可能性があった。シティとしては選手の希望を第一に考えており、クラブが望む移籍金が支払われれば他クラブが獲得することは可能だ。そのため、シウバは今後2025年までの契約を満了する可能性は低い。シウバを失うことになればその損失は計り知れない。無尽蔵のスタミナで広大なピッチをカバーする汗かき役でありながら、テクニックはワールドクラスのものを持っている。戦術理解度も高く、チームのピンチにはいつでも駆け付ける。

シウバほどではないが、フォーデンも豊富な運動量を持つ選手であり、シウバの後継者として当てはまる。上手く、賢く、水を運ぶ存在になれる。本来は中盤の選手であり、来季からFWが増えるため中盤での起用が多くなるか。

未だ21歳と無限の可能性を持つフォーデン。今後が楽しみな選手であり、来季の起用ポジションに注目だ。

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