ミランは“成長しながら”スクデット獲った トナーリ、レオン、カルルら育成と優勝のパーフェクトシーズン

テオとレオンの2人も大きく評価を伸ばした photo/Getty Images

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来季はもっと楽しみなチームに

11年ぶりにスクデットを獲得したミランは、決して圧倒的な力で相手をねじ伏せてきたわけではない。粘り強く戦うと同時に、若い選手たちを成長させながら頂点へ登り詰めたのだ。

若手ではMFサンドロ・トナーリ(22)、FWラファエル・レオン(22)、DFピエール・カルル(21)が印象的か。トナーリは次世代のイタリア代表を引っ張る存在になれることを証明し、レオンも一気にセリエAを代表する若手アタッカーへと成長。今では世界のメガクラブが目をつけており、移籍金1億ユーロ以上の価値がある選手と言っても大袈裟ではない。

カルルはサプライズ感が強い。長期離脱したDFシモン・ケアーの穴を埋めるべく奮闘したカルルは、フィカヨ・トモリとの若手センターバックコンビで何度も相手の攻撃をシャットアウト。カルルは2020年にフランスのリヨンから48万ユーロのコストでミランにやってきた選手だが、今では市場価値1700万ユーロまで上昇している。カルルが戦力になってくれたことも大きかった(数字は『Transfermarkt』より)。
中堅世代では、GKマイク・メニャン(26)、DFテオ・エルナンデス(24)の存在も大きかった。左サイドバックのエルナンデスは昨季も活躍していた選手だが、今季はワールドクラスのレフトバックであることを改めて証明するシーズンになったと言える。フランス代表でも常連になりつつあり、その攻撃力はサイドバックとして世界トップクラスだ。

カルルの活躍はサプライズ要素が強かった photo/Getty Images

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メニャンは昨夏に退団したGKジャンルイジ・ドンナルンマの穴を埋めることが求められていたが、それを1シーズンであっさりと達成してしまった。初のセリエAに戸惑うところもあったはずだが、すぐにフィットしてきたのは見事だ。ミランのスカウティング力に加え、メニャンのポテンシャルも高かった。こちらもフランス代表メンバーに入ってきており、今やベテランのウーゴ・ロリスとどちらが守護神にふさわしいかといった話題まで出ている。

選手の成長を促しながらスクデットを獲得したのは見事であり、来季へ繋がる戦いでもあった。主力をキープすることができれば、来季は成長した彼らを軸により破壊的なフットボールを見せられるのではないか。今季の優勝で満足するのではなく、来季の方が楽しみなんてファンもいるだろう。今のミランはそう思わせてくれるだけの成長を見せている。

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