就任後“17勝5分6敗”でCL出場権獲得 トッテナムを9位の状態から4位でフィニッシュさせたコンテ・マジック

見事トッテナムでCL出場権を獲得したコンテ photo/Getty images

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今後楽しみなチームの一つだ

アーセナルとのデッドヒートの末、来季のCL出場権を獲得したトッテナム。ヌーノ・エスピリト・サント前政権では思ったような成功は見られなかったが、名将アントニオ・コンテを招聘し、見事4位でシーズンを終えている。

昨年の11月にコンテを招聘したトッテナムだが、特徴的なのは既存戦力の躍動だ。もちろんクリスティアン・ロメロ、デヤン・クルゼフスキ、ロドリゴ・ベンタンクールら今季加わった新戦力の活躍もあるが、彼ら以外の働きも大きい。

最終ラインではエリック・ダイアーとベン・デイビスだ。トビー・アルデルヴァイレルト、ヤン・フェルトンゲンと頼れるセンターバックが抜け、彼らの穴を埋める存在として期待されていたダビンソン・サンチェスが思ったような成長を遂げられていない。CBはチームの安定感を生み出す存在であり、特にデイビスは3バックの左で大きな成長を見せている。

ウイングバックではマット・ドハーティ、エメルソン・ロイヤル、ライアン・セセニョンがシーズン終盤になるにつれて評価を上げた。3選手共に以前は高い評価を得られていなかったが、コンテが来て変わった。特にドハーティはWBの位置からアイデアのあるパスを連発しており、創造性を提供している。

英『The Athletic』ではどのようにスパーズがコンテのもとでCLに返り咲いたのか考察している。

まず一つ目はコンディションを上げることだ。コンテがスパーズに来た際、選手のコンディションが十分な状態ではないと感じたという。そこで行ったのが食事の制限だ。コンテは食に厳しい監督であり、ケチャップやマヨネーズ、バターなど体調に影響を及ぼすものを禁止している。それが明確な効果があったのかは分からないが、前述したデイビスやドハーティら既存戦力の躍動に、コンディションの向上が一役買っているのは間違いない。

次にエース、ハリー・ケインの復活だ。昨季は得点王、アシスト王を記録した同選手だが、今季の前半戦はパッとしなかった。が、コンテが来てからはチーム全体が向上しており、安定感が生まれたことでケインはより攻撃に集中できるようになった。最終的には17ゴール9アシストの好成績であり、ソン・フンミンと共に攻撃をけん引している。

最後はカップ戦をすべて敗退したことでプレミアリーグ一本に集中できたことだろう。どうしてもカップ戦があると週に2度試合が組まれることがある。それでは十分に休めず、本来のパフォーマンスを発揮できない。3月のFAカップでのミドルズブラ戦に敗れてからは、プレミアのみとなっており、そこからの成績は9勝2分2敗の好成績だった。

9位と難しい時期にコンテにバトンを渡したスパーズ。その後も難しい時期はあったが、初戦となったエヴァートン戦から17勝5分6敗の成績を残し、19-20シーズンぶりにCLを戦うことになった。来季に向けて大型補強の可能性も噂されており、マンチェスター・シティ、リヴァプールのトップ2の牙城を崩す存在になるのだろうか。

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