93分で1点に絡むWGに、両サイドでプレイ可能なSB デ・ブライネだけじゃなかったリーグ連覇“陰の立役者”たち

離脱の少ないカンセロは計算できる選手であった photo/Getty images

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彼らがシーズンを通してチームを支えた

プレミアリーグを制覇し、これで昨季に続いての優勝となったマンチェスター・シティ。CLではまだタイトルを取れていないが、リーグ戦は5シーズンで4度目であり、長期戦での強さを見せつけた。

そんなシティで今季評価されているのはケビン・デ・ブライネやベルナルド・シウバ、フィル・フォーデンたちだろう。デ・ブライネとフォーデンはプレミアリーグの年間最優秀選手、若手の年間最優秀選手に選ばれた。シウバの活躍も素晴らしく、あれだけ走力があって上手い選手はなかなかいない。だが、リーグ優勝できたのは彼ら以外の奮闘があったからだ。

最終ラインでいえばジョアン・カンセロとアイメリック・ラポルトはより評価されるべき選手だ。両者ともに離脱することがほぼなく、カンセロはリーグ戦36試合、ラポルトは33試合に出場している。最終ラインはシーズン終盤に離脱者が続出したが、彼らだけは最後まで戦っており、チームを支えてくれた。

カンセロの強みはその攻撃センスにある。守備での対応に批判が集まりがちな選手だが、その攻撃性能の高さはシティでもトップクラスだ。シーズン終盤はデ・ブライネが復調してエースとなったが、彼が不在、もしくは不調だった時の攻撃はカンセロに任せきりだった。

ラポルトの強みはビルドアップにある。左利きの選手で、サイドチェンジのロングパスや、ライン間でパスを要求している選手に縦パスを付ける能力は絶品だ。シティで重要になる、どうやって相手のプレッシャーを外し、攻撃を前進させるかはこのラポルトにかかっており、彼が終盤まで離脱せず戦ったことでシティは救われた。

中盤ではロドリが素晴らしいパフォーマンスを披露した。中盤はデ・ブライネやシウバにスポットライトが当たりがちだが、今季はロドリの安定感が彼らを支えている。配球に加えて今季は守備力と得点力が開花した。特にミドルシュートは正確で、最終節アストン・ヴィラ戦では貴重な同点弾をマークした。

前線ではマフレズが輝きを放ったシーズンになった。ウェストハム戦でPKを外したためどうしても悪い印象の強いマフレズだが、今季の働きぶりは一流そのものだった。右ウイングのファーストチョイスであり、重要な試合ではほぼ必ず彼が起用される。リーグ戦では28試合で11ゴール5アシストに絡んでおり、ストライカー不在のシティでウイングながらストライカーの役割を買って出た。

今季のマフレズは決定力がピカイチだった。28試合に出場しているが、実際は途中からピッチに立つことが多く、1493分しかプレイしていない。それでも計16ゴールに関与しており、93分で1点に絡む計算になる。

ラヒーム・スターリングもこの優勝に貢献した人物だ。パフォーマンスのクオリティから批判されることが多い同選手だが、13ゴール5アシストとリーグ戦ではデ・ブライネに次ぐ数字を残した。ビッグマッチでは激しいマークに遭い実力を発揮しきれないこともあるが、少し相手のレベルが下がれば止められないアタッカーに姿を変える。それは長いリーグ戦では非常に重要なことであり、プレミア連覇を支えた。

彼らに共通するのは怪我をせず、シーズン通して計算できるという点だ。マフレズ、スターリングは2023年で契約が切れることになるが、リーグ優勝の陰の立役者たちの去就はどうなるのだろうか。

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