日本はアジアモードから“ワールドモード”へ 浅野、鎌田、三笘、いざW杯へ大サバイバルの幕開けだ

パラグアイ戦の先制点は浅野から photo/Getty Images

W杯へ本当のサバイバルが始まる

2日にパラグアイ代表を4-1で撃破した日本代表は、いよいよ6日にブラジル代表をホームに迎える。その一戦を前に、ブラジル『Globo Esporte』はパラグアイ戦での日本を「アジアモード」から「ワールドモード」へと評している。

アジア最終予選の激闘が終わり、ワールドカップ出場権を勝ち取った日本代表が色々な選手をテストする段階に入ったと見ているのだ。実際、今回のパラグアイ戦ではアジア最終予選でポジションを確保できていなかった選手の活躍も目立った。

最終予選で長友佑都、中山雄太が争っていた左サイドバックではシュツットガルトで活躍する伊藤洋輝が入り、ドイツで培った経験を見せてくれた。まだ1試合だけだが、伊藤の登場によってポジション争いが激しくなるのは間違いない。

中盤では原口元気が先発し、FW浅野拓磨のゴールを華麗にアシスト。中盤も最終予選の途中からは遠藤航、田中碧、守田英正の3人がファーストチョイスになっていたが、ここからは様々な組み合わせをテストできる。原口もその候補者であり、田中碧も負けじと途中出場からミドルシュートをねじ込んだ。ここのサバイバルも激しさを増すだろう。

中でも同メディアが注目したのはセンターフォワードの位置に入った浅野と、左の三笘薫だ。センターフォワードは長らく大迫勇也が務めており、4年前のワールドカップ・ロシア大会も不動の存在だった。ブンデスリーガでプレイしていたこともあり、世界から見れば日本の1トップは大迫とのイメージもあるだろう。

今は鹿島アントラーズで評価を上げている上田綺世、セルティックで爆発した古橋亨梧もセンターフォワードの候補者となっているが、今回のパラグアイ戦では浅野が抜擢された。この判断に同メディアも少し驚いたようだが、その浅野はきっちりとゴールでアピール。このポジションが上田、古橋、前田大然、大迫らだけのものではないことを証明してみせた。

自慢のスピードを活かしたチェイスも魅力で、浅野のスピードはワールドカップで対戦するドイツやスペインといった強豪にとっても厄介だろう。スピードスター相手に一瞬でも読み違えば致命傷になりかねない。そのプレッシャーが相手の最終ラインを襲うことになる。浅野も魅力的なセンターフォワードのオプションになり得る。

三笘に関しては、やはり1人で違いを生み出せるのが大きい。同メディアは中島翔哉と重ねており、中島も三笘も独特なリズムを持つアタッカーだ。こうしたアタッカーがいてくれるのは心強い。

最終予選では右の伊東純也、左、あるいは中央の南野拓実が2列目の軸となってきたが、三笘やパラグアイ戦で印象的なプレイを見せた鎌田大地といった選手も候補になる。

パラグアイの実力とパフォーマンスが如何ほどだったのかは考慮する必要があるが、ひとまず結果が出たのは大きい。これからはまさに「ワールドモード」に入る時で、パラグアイ戦から一気にサバイバル感が増した印象も受ける。最終予選でポジションを確保していた選手も安泰とは言えず、こうしたサバイバルが選手たちを成長させることに繋がる。パラグアイ戦で良いスイッチが入ったのではないか。

国内組にもチャンスはある。7月にはEAFF E-1サッカー選手権も予定されており、アピールの場はまだまだある。果たしてワールドカップで11のポジションを掴むのは誰になるのか。ここから序列に変化もあるはずで、6日のブラジル戦でも強烈なアピールを見せる選手の登場に期待したい。

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