中盤で地位を確立した田中、守田もうかうかしていられない? パラグアイ戦最大の収穫だった原口元気の働きぶり

パラグアイ戦でのパフォーマンスを継続できるのであれば中盤は安泰だ photo/Getty images

浅野のゴールをアシストしている

日本代表がアジア最終予選で見つけた[4-3-3]。ホームで行われたオーストラリア戦からこのシステムを使い攻守両面で機能するようになり連勝を記録。最終的にはグループ2位で、ワールドカップ・カタール大会行きを決めた。

[4-3-3]移行後、主役となったのは中盤の遠藤航、田中碧、守田英正の3人だ。遠藤が自慢の球際の強さでボールを刈り取り、田中と守田がバランスをとる。[4-3-3]移行前は後方と前線でボールの循環が上手くいっていなかったが、田中、守田がリンクマンとなりその問題も解決された。しかしこのシステムは中盤の“人依存”であり、前述した3人の中で1人でも欠けてしまうとクオリティが下がってしまう可能性があるという欠点があった。アジア最終予選最終節ベトナム戦では思い切って3人を入れ替えたが、思うようには行っていない。

4-1と圧勝したパラグアイ戦は[4-3-3]を採用しており、アンカーに遠藤、インサイドハーフに鎌田大地と原口元気が起用された。これが上手くいった。

今後に期待できるパフォーマンスを披露したのは原口だ。もちろん鎌田も素晴らしい活躍だったが、より攻撃に特化した働きであり、インサイドハーフというよりはトップ下の印象が強い。

今の代表のインサイドハーフに必要なのは豊富な運動量と球際の強さ、攻撃面ではボールの扱いにも長けていなければならない。原口はそれを見事にこなした。先制点の場面がまさにそうで、浅野拓磨の落としを受けてドリブルで前進し、正確なスルーパスを供給してゴールをお膳立てしている。

守備面では寄せのスピードが目立った。多くの場面ではまずファーストディフェンダーとして原口がプレッシングを仕掛けており相手の攻撃を遅らせている。そこで取り切ることができればベストだが、遅らせることで日本の守備陣に時間を与えることができ、相手の攻撃に備えることができる。

アジア最終予選では思うような結果を出すことができなかった原口だが、このパラグアイ戦では見事にインサイドハーフを務めあげた。遠藤が中盤の底にいたのも大きく、彼がどっしりと構えることで原口が動きやすかったとも考えられる。ドイツではドリブラーから中盤の走り屋にスタイルを変えており、彼が中盤の選手層を厚くすることになるのだろうか。

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