チェルシーが求めるドログバ&ジエゴ・コスタ級FW 強い時代は頼れるCFがチームにいた

チェルシーをプレミア制覇へ導いたジエゴ・コスタ photo/Getty Images

ルカクやヴェルナーは二桁得点に届かず

必ずしもセンターフォワードの選手がゴールを量産しなければならないわけではないが、チェルシーがプレミアリーグを制した際には頼れるストライカーが最前線にいてくれた。

この10年を振り返れば、チェルシーがリーグを制したのは2016-17、2014-15シーズンの2回だが、この2回はFWジエゴ・コスタが20ゴールずつ奪っている。当時はそこにエデン・アザールも絡み、チェルシーの攻撃には厚みがあった。

しかし、この10年チェルシーでプレミア20ゴールを達成した選手はジエゴ・コスタただ1人だ。センターフォワードに頼らずともゴールを量産するチームはあるものの、チェルシーは現在のチームにもティモ・ヴェルナーやロメル・ルカクなど高額な移籍金を投じてゴールゲッターを獲得してきている。投じている補強額から考えれば、センターフォワード以外の選手がゴールを決めればいいとの理屈は通用しないだろう。

チェルシーは2009-10シーズンにもプレミアを制しているが、この時は何と言ってもディディエ・ドログバだ。ドログバが29ゴール、MFフランク・ランパードが22ゴールと圧倒的な得点力を武器にリーグを制しており、強い時代のチェルシーには前線で試合を決定づけるセンターフォワードがいた。

ドログバは2004-05、2005-06シーズンのプレミア連覇にも大きく貢献しており、どこか強いチェルシーにはドログバやジエゴ・コスタといった大型ストライカーが前線に構えているイメージがある。

プレミアリーグになってからのチェルシー歴代得点ランクを見てみると、ジエゴ・コスタは52ゴールで7位、ドログバは104ゴールで2位に入っており、やはりこの2人の存在は大きい。3位はアザール(85ゴール)、1位はランパード(147ゴール)となっているが、強いチェルシーには2列目からゴールを奪える選手と最前線に構える絶対的なゴールスコアラーがいたものだ。

昨夏に加わったルカクはドログバに似た存在感はあるものの、今季は8ゴールと二桁に届かなかった。カイ・ハフェルツ、ヴェルナー、ルカクといった大物アタッカーがいながら、二桁に届いたのがMFメイソン・マウント(11ゴール)1人というのは寂しい。トーマス・トゥヘル率いる今季のチームはDFの選手の得点も多いと話題にはなったが、頼れるセンターフォワードが必要なのは明らかだ。

今夏はリヴァプールがダルウィン・ヌニェス、マンチェスター・シティがアーリング・ハーランドを獲得するなど、ライバルクラブに大型センターフォワードが加わっている。彼らに喰らいつくためにはチェルシーにも頼れるセンターフォワードが欲しいところで、サポーターはドログバやジエゴ・コスタ系の選手のブレイクを待っているはずだ。

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