ガルティエはメッシ、ネイマール、ムバッペまとめられるのか 勝率70%超えでも納得されないPSGのお仕事

PSGに揃う3大スター photo/Getty Images

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PSGで求められる高すぎる理想

パリ・サンジェルマンは解任したマウリシオ・ポチェッティーノに代わり、昨季までニースを指揮していたクリストフ・ガルティエの指揮官就任を発表した。

ガルティエにとっては大きなチャレンジだが、パリの指揮官は現サッカー界で1、2を争う難しさと言っても大袈裟ではない。リーグ制覇は当たり前のミッションであり、求められているのはチャンピオンズリーグ制覇だ。チャンピオンズリーグで結果が出なければ失敗とジャッジされてしまう。

しかも昨夏にリオネル・メッシが加わったことにより、チームにはキリアン・ムバッペ、ネイマールとスーパースターが勢ぞろいの超豪華集団へ。これほどのスーパースターが前線に揃うチームも珍しく、彼らに気持ちよくプレイしてもらいつつ、チャンピオンズリーグのタイトルを狙うというハードミッションがガルティエを待っている。
2009年から2年半指揮したアントワーヌ・コンブアレ政権から数えると、今回のガルティエで7人目の指揮官だ。コンブアレ退任からはカルロ・アンチェロッティ、ローラン・ブラン、ウナイ・エメリ、トーマス・トゥヘル、ポチェッティーノとバトンを繋いできたが、誰もクラブが求めるチャンピオンズリーグ制覇は実現できていない。

アンチェロッティはパリで勝率76.6%、ブランは73.26%と、コンブアレとポチェッティーノを除く指揮官は勝率70%超えを達成している。それでも100点満点と評価されないのが恐ろしいところだ。ポチェッティーノも勝率は69%となっており、そこまで悪かったわけではない。

気になるのはガルティエに欧州カップ戦での目立った実績がないことか。2009年から2017年までサンテティエンヌ、2017年から2021年までリール、昨季はニースと、ガルティエはフランス国内でしか指揮を執っていない。リールを指揮した2020-21シーズンにはリーグ制覇を達成したが、目立ったタイトルはこれくらいだ。

当然スター選手と仕事をした機会も限られている。メッシやムバッペをコントロールできるかは大きな注目点で、欧州トップレベルでの経験が不足しているのは不安要素だ。

またガルティエは昨季指揮したニースでもオーソドックスな[4-4-2]をメインに扱うことが多く、システムをパリでどう変えていくかも注目される。ムバッペ、ネイマール、メッシを同時先発させるうえでオーソドックスな[4-4-2]は難しいだろう。

中堅クラブでは守備的な戦いをすることもあったが、それもパリでは圧倒的な攻撃フットボールが求められる。一部ではチャンピオンズリーグ優勝経験やスター選手と仕事をしたことのあるジネディーヌ・ジダンのような人物が理想的との見方もあったが、果たしてガルティエ招聘は成功するのか。

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