ジンチェンコに3000万ポンドは適性額? 移籍金が高額と感じてしまうわけ

アーセナル行きが濃厚なオレクサンドル・ジンチェンコ photo/Getty images

アーセナル移籍が濃厚となっている

移籍市場に精通しているファブリシオ・ロマーノ氏によればアーセナルがマンチェスター・シティのオレクサンドル・ジンチェンコ獲得で合意したようだ。移籍金は3000万ポンドになるようで、今後メディカルチェックを経て正式な発表が行われるだろう。

ガブリエウ・ジェズスに続いて今夏2人目となるシティからの獲得となる。ミケル・アルテタ監督がシティのコーチを務めていたことも大きいといえるが、BIG6内でこれほど頻繁に移籍が行われるのは近年では珍しい光景だ。

シティでは左サイドバック、ウクライナ代表ではインサイドハーフと2つの顔を持つジンチェンコ。アーセナルが以前ターゲットとしていたアヤックスのリサンドロ・マルティネスは左SB、CB、中盤の3つのポジションでプレイできる選手で、彼の獲得が失敗になったため似た強みを持つジンチェンコの獲得を目指したと考えられる。

SBでのジンチェンコは攻撃的な選手で、積極的なオーバーラップから攻撃を支える。高精度のクロスやドリブルでの運びなどプレイの幅は広く、ボックス外からのミドルシュートも一つの武器である。対人守備の強度は年々上がっているが、クロス対応やセットプレイでは弱みを見せるところがあり、改善が必要だ。

シティでは中盤でプレイすることはほぼないが、ウクライナ代表ではバランサーとしての一面を見せる。下がって後方からのビルドアップを助け、前線に出ればミドルシュートから相手ゴールを脅かす。SBと中盤に人材が不足しているアーセナルからすれば理想的な選手である。

しかし3000万ポンド(日本円にして約50億円)の移籍金は高額か。技術は高いが、アスリート能力は並であり、モチベーションにパフォーマンスが左右されすぎる点も気になる。中盤でもプレイ可能だが、プレミアリーグでの実績はほぼないため、SBのバックアッパーに3000万ポンドをつぎ込むことになる可能性も。

ジンチェンコ獲得が濃厚なアーセナル。クラブが求める人材であることは間違いないが、3000万ポンドの移籍金は適性額なのだろうか。

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