デパイにツィエクと失敗続く“エールディビジからのプレミアルート” ユナイテッドが獲得した175cmCBは成功できるか

マンチェスター・ユナイテッドに加わったリサンドロ・マルティネス photo/Getty images

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大きな決断となる

アヤックス時代の教え子をマンチェスター・ユナイテッドに集めようとしているエリック・テン・ハーグ。すでにセンターバックとしてアヤックスを支えたリサンドロ・マルティネスが獲得されており、次はウイングのアントニーや中盤のフレンキー・デ・ヨングがターゲットだ。

新チームとなる中で監督の前所属クラブから選手を獲得する意図は分かる。自身の考えをチームに落とし込むにはそれが近道であり、とくにセンターバックや中盤などセンターラインの選手であれば試合への影響力は大きいだろう。しかし近年オランダのエールディビジからイングランドのプレミアリーグへ挑戦し、成功した例は多くない。

英『Squawka』では過去にエールディビジのスターがプレミアリーグに挑戦した際どのような結果になったのか振り返っている。
まずはPSVからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したメンフィス・デバイだ。14-15シーズンにはキャリアハイとなる22ゴールを決めてエールディビジで得点王となり、翌シーズンにプレミアへ向かった。しかし初年度は29試合で2ゴールに終わり、16-17シーズンの後半戦からフランスのリヨンへ移籍している。そこでは後半戦の16試合で5ゴール7アシストと躍動し、現在はバルセロナに在籍している。フランスやスペインでは得点を量産したが、イングランド挑戦は失敗に終わってしまった。

2人目はアヤックスからチェルシーに移籍したハキム・ツィエクだ。右サイドを主戦場とするテクニシャンで、アヤックスがCLで躍進した18-19シーズンはリーグ戦で16ゴール13アシストの大暴れを見せた。デパイ同様にツィエクもプレミアでは苦戦中だが、昨季はチェルシーが3バックから4バックに変えたことで自身の得意とする右ウイングで起用され活路を見出した。今夏の移籍市場ではミラン行きが噂されているが、適正ポジションでは輝いており、デパイほどの失敗ではない。

ビッグクラブではないが、アヤックスからブライトンへ移籍したヨナス・フェルトマンは成功を掴んでいる。昨季はチームで3番目に多い2881分のプレイタイムを得ており、DFながら1ゴール1アシストと得点にも絡んだ。4バックのCB、3バックのCB、右サイドバック、右ウイングバックと複数のポジションをこなせるユーティリティ性が高く評価され、グレアム・ポッター監督に重宝されている。

同紙で振り返っているプレイヤーで成功を収めたのはフェルトマンだけと少し寂しい。ポルトガルのプリメイラリーガから挑戦する選手は近年多くの選手が成功しており、リーグの色が似ているのだろう。反対にエールディビジは少なく、リーグの色が異なると解釈できる。

ユナイテッドはそんなマルティネスに5700万ユーロを支払った。ボーナスを含めると最大で6700万ユーロであり、今夏の目玉補強となる。今のユナイテッドにいない左利きのCBだが、近年失敗が続いているエールディビジからの移籍で成功を収められるのだろうか。

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