バルサ退団が濃厚なデパイはトッテナム行きに“NO” CFが不足気味なマンUへ復帰のムードが漂う
マイアミ戦でも好プレイを披露 photo/Getty Images
注目されているデパイの去就
バルセロナが補強を進めるにつれ、放出の可能性が高まっているオランダ代表FWメンフィス・デパイ。そうなるとどこに移籍するのかが焦点となるが、かつて所属していたマンチェスター・ユナイテッドに復帰するのではないかというムードが、スペインやイングランドの双方で高まっているようだ。
昨夏にリヨンからバルサへ加入し、負傷などもありながら、リーグ戦28試合12ゴールでチーム得点王となる活躍を見せたデパイ。先日行われたインテル・マイアミとの親善試合でもCFとして好パフォーマンスを披露。テクニカルな動きからDFを外した華麗なゴールを決めている。
デパイ本人はこれまでに、今季もバルサに留まりたいという意志を明らかにしていたが、FWロベルト・レヴァンドフスキやFWハフィーニャが加入し、FWウスマン・デンベレも残留が決定。昨季は負傷で長期離脱していたFWアンス・ファティもプレシーズンに臨んでおり、チームのアタッカー陣は飽和状態となっている。
シャビ・エルナンデス監督は、クオリティが高く、ユーティリティ性もあるデパイの残留を嫌がっていないことが報じられていたものの、財政難に苦しむ上に大型補強を敢行しているバルサは、デパイの放出で資金を捻出し、少しでも年俸を浮かせたいと考えている。
スペイン『SPORT』によれば、こういった状況を踏まえたデパイが、プレイタイムの減少を懸念し、現在各クラブからのオファーを受け入れている模様。しかし、行き先はしっかり吟味したいようで、トッテナムからの関心については拒否。タイトル獲得を真剣に望んでいるチームで重要な存在になりたいと考えているという。
さらにデパイは、現状バルサが求めている2000万ユーロ(28億円)強という移籍金が引き下げられる未来まで見据えている。バルサが希望額を下げれば、すぐにどこかから新たなオファーが届くと考え、新天地選びを急ぐつもりはないようだ。
こういった状況を伝えながら、同メディアはここでデパイの古巣であるマンチェスター・ユナイテッドの名前を出している。MFフレンキー・デ・ヨングの獲得交渉にやってきたマンUのスタッフからは、“デパイ”の声が上がらなかったものの、バルササイドは何らかの進展を期待しているようだ。
英『The Mirror』もこの件に触れており、デパイの移籍金や年俸がそれほど高くないことがマンUサイドのメリットにあげられている。同クラブはエリック・テン・ハーグ監督の教え子であるブラジル代表FWアントニーの獲得を狙っているが、アヤックスから7600万ユーロ(106億円)の移籍金を要求されており、2000万ユーロ(28億円)のデパイとはかなりの差がある。
そしてデパイは右ウイングを主戦場とするアントニーと違い、中央とウイングのどちらでもプレイ可能。昨季エースとして活躍したFWクリスティアーノ・ロナウドには退団の可能性があり、計算できるCFが現状アントニー・マルシャルとマーカス・ラッシュフォードのみ。ラッシュフォードに関しては、ここまで主にウイングとしてテン・ハーグ監督に試されている。
2015年夏から約1年半プレイした前回のマンU在籍時は、移籍が失敗だったという見方が強かったデパイ。しかし、あれから彼はリヨンやバルセロナ、オランダ代表といったチームで多くの経験を積み上げており、マンUへの復帰が実現すれば、以前とはまた違ったデパイのプレイがオールド・トラッフォードで見られるはず。
今夏のマンUはすでに、DFリサンドロ・マルティネスの獲得で、5700万ユーロ+ボーナス最大1000万ユーロ(79億円+ボーナス最大14億円)という契約がアヤックスと成立。デ・ヨングの獲得においても、6300万ポンド(7400万ユーロ/103億円)以上の移籍金でバルサとクラブ間合意に至っていると報じられている。こういった金銭的な事情も加味すれば、やはり今夏のマンUはアントニーよりデパイを優先して狙うべきかもしれない。