やはりC・ロナウドに合うのは“銀河系軍団の7番”だ レアルを離れたのは失敗だった

レアルの絶対的エースだったロナウド photo/Getty Images

今は欲しがるクラブが少ない

マンチェスター・ユナイテッドFWクリスティアーノ・ロナウドは昨季もプレミアリーグで18ゴールを奪うなど、今でも得点力は高い。数字の面ではトップレベルの点取り屋で間違いないだろう。

しかし、今夏の移籍を模索しているとされるロナウドに興味を示すビッグクラブは見当たらない。年齢も影響しているかもしれないが、チームにロナウドを組み込むのが難しいというのが本音か。

ロナウドは2018年にレアル・マドリードを離れてユヴェントスへ向かったが、歯車はここから噛み合っていなかったのかもしれない。ユヴェントスでもリーグタイトルは獲得したが、チャンピオンズリーグでは結果が出なかった。トータル的に考えれば期待通りのシーズンとはならず、ロナウド獲得が成功だったかは微妙なところだろう。

それは昨夏にロナウドを獲得したマンUも同じだ。新シーズンからはエリック・テン・ハーグがチームを指揮するが、アヤックスで見せていたテン・ハーグのスタイルにロナウドがマッチする可能性はそれほど高くないだろう。

米『ESPN』は、「再びレアルへ行くべき」と大胆な主張を展開している。スターをかき集めてきたパリ・サンジェルマンは新天地候補の1つになるだろうが、レアルかパリでなければロナウドを中心に据えたフットボールは展開できそうにない。チェルシー、アトレティコ・マドリードも噂にはなってきたが、トーマス・トゥヘルとディエゴ・シメオネのスタイルにロナウドが合う可能性は低い。

振り返れば、やはりロナウドはあのままレアルでプレイしているのが理想的だったのかもしれない。現在チームを指揮するカルロ・アンチェロッティは過去にロナウドと仕事をともにしており、活かし方は頭に入っている。カリム・ベンゼマのバックアッパーが不足している現状を考えれば、レアルこそロナウドのいるべきクラブだった。

パリはキリアン・ムバッペ、ネイマール、リオネル・メッシとメガタレント3枚が揃っており、ロナウドまで加わればカオスだ。チャンピオンズリーグで上位を狙うことができ、ロナウドが求めるサラリーを負担し、そしてロナウドこそがクラブの顔となれるクラブはレアルくらいしか存在しないのかもしれない。

現代のフットボールは攻守の切り替えも速く、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ、リヴァプールのユルゲン・クロップなどはっきりとした哲学を持つ指揮官も多い。そのスタイルにロナウドが適応するのは簡単ではない。

マンUもテン・ハーグの下でシステマチックなフットボールを展開すべく動いており、ロナウドにこだわる必要性は薄いか。スーパースターながら欲しがるクラブが少ない現状は寂しく、ロナウドに一番似合っていたのは銀河系軍団の7番だ。

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