デ・ヘアからサンチョまで“11本のパス”が生んだ先制ゴール マンUがヴィラ戦で見せたポゼッション志向

4戦3発のサンチョ photo/Getty Images

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2-2に終わるも前半は圧倒

23日にアストン・ヴィラとプレシーズンマッチを行ったマンチェスター・ユナイテッド。前半に2点を先制しながら、後半に追いつかれ、2-2の引き分けという結果に終わったがマンUの先制点となった、FWジェイドン・サンチョのゴールには目を見張るものがあった。

マンUはここまでプレシーズンマッチを4試合行っているが、エリック・テン・ハーグ監督の下、昨季とは違ったサッカーを見せている。特に前線のサンチョ、FWアントニー・マルシャル、FWマーカス・ラッシュフォードは好調で、それぞれゴールを複数奪っている。

マルシャルには4試合連続ゴールの期待もあったが、アストン・ヴィラ戦で得点を決めたのはサンチョだった。親善試合とは言え、これでマルシャルに並ぶ4試合3ゴールという結果となっている。

しかし、このゴールは決してサンチョの個人技で奪ったものではなく、チーム全体で作り出し、サンチョが仕上げたというものだった。

このゴールが決まったのは前半25分。敵陣右サイドでDFディオゴ・ダロトがスローインを入れると、そこからディフェンス陣で繋ぎ、一度、最後尾のGKダビド・デ・ヘアまでボールは戻る。

そのデ・ヘアから、DFハリー・マグワイア、ダロトへと繋がると、最前線から少し降りてきたマルシャルへ縦パスが入る。そして近くにいたMFブルーノ・フェルナンデス、左サイドにいたラッシュフォード、オーバラップした左SBのルーク・ショーと繋がり、最後はショーからのクロスをサンチョがゴールに沈めた。

前半のマンUはとにかくパスが回っていたが、このゴールの場面はそれを象徴しているシーン。デ・ヘアから数えると7本、ダロトのスローインから数えると実に11本のパスが繋がり、サンチョへと辿り着いている。

マンUはこのようなボールを保持するサッカーが継続できれば、守備の不安も軽減できる。昨季は不安定なパフォーマンスに終始したDFハリー・マグワイアも、ビルドアップで頼もしい存在となり、インターセプトからシュートの起点になるなど、前に出る積極的な守備も見せることができた。テン・ハーグ流の恩恵により、昨季は本領を発揮できなかった選手たちが生まれ変わろうとしている。

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