ククレジャ撤退でシティが選んだのはU-17スペイン代表の10番 WGからSBへ“理想的なコンバート”をされた男の挑戦
アンデルレヒトで飛躍を掴んだセルヒオ・ゴメス photo/Getty images
以前から獲得するアイデアはあったようだ
正式な発表はまだ行われていないが、マンチェスター・シティはアンデルレヒトのDFセルヒオ・ゴメス(21)獲得で合意したようだ。ボーンマス戦前の会見でジョゼップ・グアルディオラ監督は「彼は(ゴメス)は今のところ、ジョアン(カンセロ)、ジョシュ(ウィルソン・エスブランド)と共にトップチームに残る」と英『manchester evening news』に話しており、今季の戦力として見ていると考えられる。
バルセロナの下部組織で育ち、その後ボルシア・ドルトムントとウエスカを経由してアンデルレヒトにやってきたゴメス。元はスペイン代表のアンダー世代で10番を背負うような攻撃的なプレイヤーだったが、現バーンリーのヴァンサン・コンパニに左サイドバックにコンバートされ、昨季はリーグ戦で6ゴール11アシストと素晴らしい数字を残した。
「クラブは常に多くのポジションで多くの才能を探している。今回のターゲットは若い選手で、数年前のU-17ワールドカップで最高の選手はフォーデンで、彼(ゴメス)は2番目に優れた選手だった」
「彼はジンチェンコのようなナンバーテンだったが、今はそのポジション(左SB)に適応している。クライフが常に言っていたが、ウイングが左SBでプレイできれば、最高の左SBになれる。中盤がCBでプレイすれば最高のCBになる。後ろの選手が前でプレイするのは難しいが、前の選手が後ろでプレイするのは難しくない」
ペップはシティでオレクサンドル・ジンチェンコやファビアン・デルフをSBにコンバートしていたが、ヨハン・クライフの考えをもとに他のポジションからSBに当てはめていたようだ。ゴメスはまさにその形であり、アンダー世代のスペイン代表では右ウイングを任されている。
少数精鋭ではあるが、これで長いシーズンを戦う頭数が揃った。右SBはカイル・ウォーカー、カンセロ、ジョン・ストーンズ、リコ・ルイス(17)、左SBにはカンセロ、ゴメス、ネイサン・アケ、ウィルソン・エスブランド(19)がいる。しかしカンセロとウォーカーを長期離脱で欠くようなことがあれば厳しく、外から見れば勝率の低い賭けのように見えてしまう。
ゴメスと若いウィルソン・エスブランド、ルイスがどこまでトップチームで通用するかが重要になるだろう。ゴメスは攻撃的な選手で、前線ではインパクトを残せるかもしれないが、守備面は改善が必要だ。ウィルソン・エスブランドとルイスはプレシーズンマッチのバイエルン・ミュンヘン戦で堂々としたパフォーマンスを披露したが、トップレベルでの経験が足りていない。フィル・フォーデンのようにゆっくり育てるのかもしれないが、今季少しでも爪痕を残すことができなければ厳しいか。
ペップはゴメスをトップチームに残すことで追加のSBを獲得しないことを明言した。シュツットガルトのボルナ・ソサ、ドルトムントのラファエル・ゲレイロが候補となっていたが、移籍市場の閉幕までにカンセロやウォーカーが怪我をすることがなければ獲得はないだろう。
アーリング・ハーランドの加入で前線は転換期を迎えているが、後方、とくにSBも今季は難しいシーズンになるだろう。サブとして高いパフォーマンスを披露していたジンチェンコはアーセナルへ移籍しており、若い世代がカンセロを支えることになる。