「板倉はセンターバックとしてさらなる価値を……」 守備的MFもできる日本の守備職人にクラブが抱える悩み

ボルシアMGでさっそく活躍する板倉 photo/Getty Images

センターバックでもハイレベルな動き

今夏ドイツ1部のボルシアMGに移籍した日本代表DF板倉滉は実に現代的な選手だ。守備力に加えて足下の技術もあり、センターバックと守備的MFの両方を担当することができる。これまでの日本人選手には少ない器用な守備職人と言えよう。

その特長は獲得したボルシアMGも分かっていたはずだが、改めてそのクオリティに驚かされたようだ。

独『Der Tagesspiegel』は、当初ボルシアMGが板倉を守備的MF要員と見ていたと綴る。しかし開幕直後のボルシアMGはセンターバックのルイス・バイヤー、マーヴィン・フリードリヒの2人が軽度の故障を抱えていたこともあり、板倉は開幕から2試合センターバックで先発している。そこで見せたセンターバックとしてのクオリティに同メディアも驚いているのだ。

「クラブは25歳の板倉を獲得したことで、守備的MFの完璧な解決策を見つけたかに思ったが、僅か数週間後に板倉がセンターバックとしてさらなる価値を持っていることに気付いた。先週2-2で引き分けたシャルケ戦でも板倉は最も目立つ選手だった。SNSでも話題になったが、シャルケのマリウス・ビュルターがドリブルで2度板倉を振り回しながらも、板倉は粘り強くビュルターのシュートをブロックするシーンがあった。板倉は座ったまま拳を握りしめ、デュエルに勝つ喜びを表現した。日本人がいつも控えめとのイメージを打ち消すものだ」

出遅れていたフリードリヒはシャルケ戦の終盤に途中出場を果たしており、今後センターバックのピースは揃ってくると考えられる。その際に板倉を守備的MFへ移すのか、それとも好印象だったセンターバックに固定するのか。早くもボルシアMGを指揮するダニエル・ファルケには嬉しい悩みがある。このユーティリティ性も、板倉が欧州で評価される理由の1つだ。

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