敵将は「ペースについていけない」とバルセロナの選手層に脱帽も…… 3バックの完成度はまだまだテスト段階

従来とは違った3バックを披露したシャビ・エルナンデス photo/Getty images

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今後も継続して採用するシステムなのか

22-23シーズンのリーガ・エスパニョーラ開幕戦はラージョ・バジェカーノ相手に引き分けたバルセロナだが、2節レアル・ソシエダ戦は4-1と快勝を飾った。初戦でゴールを奪えなかった決定力不足が嘘だったかのように得点を連発し、大量ゴールで白星を獲得した。

とくに勢いが生まれたのは後半だ。アンス・ファティ、ラフィーニャが投入され、そのファティが1ゴール2アシストと後半だけで3得点に関与し、バルセロナに勢いをもたらした。デビュー後は怪我に悩まされていた同選手だが、持つポテンシャルはピカイチであり、今季怪我なくプレイできれば二桁得点二桁アシスト達成の可能性は十分に考えられる。

西『SPORT』では「最高のアンスが帰ってきた」とラ・レアル戦でのパフォーマンスを称賛している。“最高のクラック”として評価されており、今季のファティには期待できそうだ。
バルセロナがラ・レアルを打ち破った理由は後半のペースアップにある。ファティやラフィーニャ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト、フランク・ケシエが投入され相手を圧倒した。西『MUNDO DEPORTIVO』では「ペースについていけなかった」とラ・レアルの指揮官であるイマノル・アルグアシル監督が語っており、大型補強の成果がさっそく出た。

しかし結果ほど内容は良くなかった。とくにスタートの3バックだ。右からロナウド・アラウホ、アンドレアス・クリステンセン、エリック・ガルシアの3人が並びバックラインを形成したが、安定していたとはいえない。良い言い方をすれば目まぐるしく攻守が入れ替わるアップテンポな展開だったが、悪くいえばリスクが大きいカウンターの打ち合いとなっている。実際に前半開始直後に失点を喫しており、攻撃力と引き換えに守備力を失ってしまった。

終盤はアルバらの投入もあって従来の[4-3-3]に戻しており、ボールを保持することでゲームを支配していたが、はじめから従来のシステムでもスタートする選択肢もあっただろう。3バックはより縦への意識が強いが、その反面後ろは脆く、ラ・レアルよりも攻撃力のある例えばレアル・マドリードと対峙することになればカリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオールにスペースを突かれ続けることになる。セルヒオ・ブスケッツが起用できないための緊急のシステムなのかもしれないが、今後も継続して採用するなら相手を見て使う必要がある。

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