ギマランイス、ポープよりも的確な補強だった? ニューカッスルの成功支える指揮官エディ・ハウの手腕

既存戦力と新戦力を上手く融合させた photo/Getty images

新戦力だけでなく既存戦力を覚醒させた

プレミアリーグ第3節では多くの波乱が起こった。チェルシーがリーズに0-3で敗れ、マンチェスター・ユナイテッドがリヴァプールを下し、ニューカッスルがマンチェスター・シティ相手に3-3の打ち合いを演じた。

ニューカッスルは昨季クラブが買収され、資金力を得たチームだ。今夏の移籍市場でもニック・ポープ、スヴェン・ボトマンの即戦力を獲得し、ワトフォードのジョアン・ペドロ獲得間近との報道もある。

新戦力で揃えた最終ライン、ジョエリントン、ブルーノ・ギマランイスが支える中盤、アラン・サン・マクシマン、ミゲル・アルミロン、カラム・ウィルソンの曲者揃いのFW陣とニューカッスルは多くのポジションがチームの強みとなっている。実際にプレミア2連覇中の王者シティと打ち合えるだけの戦力を揃えており、今季EL出場権の獲得の可能性がグッと上がった。

的確な補強が目立つニューカッスルだが、何よりも最初にエディ・ハウを指揮官に招聘したのが大成功の始まりだった。ボーンマス、バーンリーとビッグクラブを指揮した経験はないが、ボーンマスをイングランドの実質2部であるチャンピオンシップからプレミアに昇格させ、攻撃的なフットボールを軸に15-16シーズンから19-20シーズンまでボーンマスをイングランドのトップカテゴリーに残留させた実績は記憶に新しい。

はじめに行った改革は守備陣の総入れ替えだ。キーラン・トリッピアー、ダン・バーン、ポープ、ボトマン、マット・ターゲットと5人の守備者を獲得し、プレミアでの新シーズンは初戦ノッティンガム・フォレスト戦、2節ブライトン戦でクリーンシートを達成している。

次に既存戦力の成長だ。とくに目立ったのはジョエリントンの覚醒である。ホッフェンハイムからFWとして獲得された同選手だが、ニューカッスルではイマイチ輝くことができていなかった。そこでハウはポジションを一つ下げた中盤で使うことで彼の献身性とフィジカルの強さが生かされ、ギマランイスと共に強力な中盤を形成している。

FWではサン・マクシマンが急成長を遂げている。以前まではドリブルが最大の強みだったが、今ではそのドリブルがより強化され、さらに味方と連携して相手守備陣を崩す場面が多く見られている。実際にシティ戦では2アシストを記録しており、カイル・ウォーカーですらサン・マクシマンの対応に手を焼いていた。

この短い期間でシティと打ち合えるチームに成長したニューカッスル。補強の的確さも目立つが、それを操るハウの招聘は正解だった。これからより連携面や補強での強化があればBIG6の牙城を崩すのもそう時間はかからないはずだ。

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