“前半だけでハットトリック”の古橋は日本代表でも同じ活躍ができる? W杯までに改善したい森保ジャパンが抱える課題

ダンディー・ユナイテッド戦でハットトリック達成の古橋亨梧photo/Getty images

優秀な人材はいる

11月に開催されるワールドカップ・カタール大会まで約3カ月を切った。今大会はシーズン終了後ではなくシーズン中の開催であり、あまり時間がない。日本代表は本戦までに2試合のテストゲームを用意しており、アメリカ戦とエクアドル戦だ。

この2ゲームでは現時点でのサムライブルーの完成度の高さを測ることになるのだが、本戦までの時間のなさもあってまだ先が見えないポジションがある。その一つはストライカーだ。アジア最終予選では大迫勇也をセンターフォワードとして多くのゲームで起用したが、絶対的な存在感は見せられていない。

そんな大迫がコンディション不良で招集外となった6月の4連戦では古橋亨梧、上田綺世、前田大然、浅野拓磨の4人がストライカーとして呼ばれた。しかしアピールに成功したのは前田のみであり、その前田も試合途中に投入されるスーパーサブとしての役割だ。

前述した9月のテストゲームではこの4人と大迫、E-1選手権で存在感を示した町野修斗の中から数名がストライカーとして呼ばれると予想できるが、そこでの審査基準は所属クラブでの活躍度合いだろう。

であればセルティックの古橋は一抜けか。相変わらずスコットランドで得点を量産しており、今季はリーグ戦5試合で6ゴールだ。直近のダンディー・ユナイテッド戦では前半だけでハットトリックを達成しており、今季も絶好調である。

ダンディー・ユナイテッド戦で再確認することになったが、やはり古橋の強みは決定力と動き直せるオフザボールの質にある。カウンターの場面、狭いボックス内での位置取りは抜群であり、多くの得点をセルティックにもたらす。

W杯本戦での2戦目コスタリカ戦では日本代表が主導権を握って戦うことが予想できる。コスタリカ代表は堅守速攻をチームのスタイルとしており、ニュージーランドとの大陸間プレイオフでは、33%とボール支配率は半分を大きく下回ったが、少ない決定機を沈め1-0と本戦行きを決めた。

しかしここで気になるのが、アタッキングサードでの崩しの質だ。6月の4連戦ではガーナ代表に4ゴール、パラグアイ代表に4ゴールと大量得点するゲームもあったが、チュニジア相手に攻撃陣が沈黙し、0-3と大敗する試合もあった。この違いは攻撃の核である伊東純也や三笘薫が個でどこまで打開できるかに委ねられており、いくら古橋のようなストライカーが中央にいてもサイドで崩せずゴール前にボールを運べない展開は避けたい。

優秀な点取り屋を抱えるもイマイチ生かし切れていないサムライブルー。6月ではその課題が明確になっており、9月の2戦では解決し、ストライカーに良質なラストパスを供給できるだろうか。

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