《180戦156ゴール》で築いたメガクラブへの基盤 PSGに欠かせなかった王様イブラの存在

PSGで同僚だったイブラヒモビッチとヴェッラッティ photo/Getty Images

スター軍団をまとめるリーダーに

今や世界を代表するビッグクラブとなったパリ・サンジェルマン。今のような大型補強がスタートしたのは2011年からだが、その中でも大きかったのが2012年のFWズラタン・イブラヒモビッチ獲得だ。

イブラヒモビッチは攻撃のリーダーになると同時に、チームにビッグクラブとしてのプライドを植え付けた人物と言っても大袈裟ではないだろう。同年にパリへやってきたMFマルコ・ヴェッラッティもイブラヒモビッチがクラブを変えたと称賛する。

「彼は素晴らしい人物で、PSGにとって非常に重要な選手だった。新たなオーナーによる新たなプロジェクトが始まったばかりで、イブラはピッチ外でも大きな力となったんだ。彼はチーム全体を成長させた。面と向かって何でも言える人だったよ。何か間違っている点があると、彼はすぐに伝えてくれた。彼は利己的な人ではないよ。彼のアドバイスによってPSGは大きく成長し、今のチームとなったんだ」(仏『RMC SPort』より)。

残念ながらまだ悲願のチャンピオンズリーグ制覇には届いていないが、イブラヒモビッチの力もあってフランス国内の支配には成功した。DFチアゴ・シウバらを含め、初期メンバーでチームのベースを作ることが出来たのだ。

数字で見ても、イブラヒモビッチはパリで通算180戦156ゴールと見事な成績を残している。この得点数はチーム最多記録を持つFWエディンソン・カバーニ(200ゴール)、そのカバーニの数字に挑むFWキリアン・ムバッペ(178ゴール)に次いで3番目に多い。しかも試合数はカバーニが301試合、ムバッペがここまで222試合こなしているため、得点率ではイブラヒモビッチの方が上だ。

一見すればパリはスターの寄せ集め集団に見えるが、イブラヒモビッチはそれを上手くコントロールしていたのだろう。パリは国内できっちりと地盤を固め、今季はMNMを軸に悲願のチャンピオンズリーグ制覇へ挑もうとしている。新体制発足からスムーズにチームを強化出来たのには、イブラヒモビッチの貢献も大きかったか。

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