“テン・ハーグの実験”が行われたELシェリフ戦 マンUの右SBとCFの層の薄さはコンバートで解決?

右SBも務めたマラシア photo/Getty Images

マラシア、サンチョが途中から本職以外のポジションでプレイ

先日行われたヨーロッパリーグ・グループE第2節シェリフ・ティラスポリ戦で、前半のうちに2点のリードを奪うことができたマンチェスター・ユナイテッド。試合を優位に進めることができたこともあり、エリック・テン・ハーグ監督は後半途中から2つの実験的な起用を試みている。
 
12日に予定されていたクリスタル・パレス戦、18日に予定されていたリーズ・ユナイテッド戦が延期となったこともあり、ほぼベストメンバーで臨むことができたこの試合。前半の早い段階でFWジェイドン・サンチョが見事な先制ゴールを決め、ハーフタイムに入る前にはロナウドがPKから追加点を奪っている。
 
そして70分、テン・ハーグ監督はDFディオゴ・ダロトに代えてDFルーク・ショーを途中起用。左サイドバックに入っていたDFタイレル・マラシアがダロトのいた右SBへ回り、ショーはマラシアのいた左SBに入った。
 
さらに、81分にはロナウドを下げてFWアントニー・エランガを投入。左ウイングのサンチョがCFに回り、エランガがサンチョのいた左WGを務める形となった。
 
結果的にスコアが動くことはなかったが、マラシアが中盤的な振る舞いをみせるなど、新たな可能性を見せたこの布陣。英『Manchester Evening News』によれば、テン・ハーグ監督は試合後にこの采配について自ら言及しており、柔軟に対応した選手たちのパフォーマンスに満足感を示している。
 
「良い例が1つあった。サンチョはブルーノ(・フェルナンデス)と共にゴールを目指す際、CFのポジションにいた」
 
「今夜、我々はいくつかの実験を行い、タイレルを右に、ルークを左に持ってきた。この2つのポジション変更は良かった。我々は非常にうまくやれるし、シーズンの中ではそういったことも必要だ」
 
「最初の10分で我々は自分たちのフォーメーションを見つけ、より安定し、プレイを切り替えることができた。ピッチの中央でボールをうまく動かし、ボールをキープし、良いタイミングでスピードを上げた」
 
「ジェイドン・サンチョが素晴らしいゴールを決めたが、今季はそれ以前にもっと素晴らしいゴールを決めている。アーセナル戦のゴールはもっと多くの選手が得点シーンに絡んだ。これを続けていき、こういった場面を数多くこなしていけば良い方向に向かうと思うし、そうしなければならない」
 
マラシアの右SBが機能するのであれば、ひとまずマラシア、ショー、ダロトの3人で両サイドバックを回していけるだろう。可能なら蚊帳の外になっているDFアーロン・ワン・ビサカもここに加わりたいところだ。
 
そして、サンチョが1トップとして計算できるようになれば、コンディションの上がりきっていないロナウドを無理に起用する必要もなくなる。FWアントニー・マルシャルがなかなか復帰できないこともあり、1つのオプションとして今後も試していくだけの価値はあるだろう。
 
テン・ハーグ監督はブライトンとのプレミアリーグ開幕戦でMFクリスティアン・エリクセンを偽9番として起用しており、前回のレアル・ソシエダ戦ではDFヴィクトル・リンデロフを途中から右SBに回している。選手の新たな可能性を見出すのに積極的であり、今後もこのような実験がしばしば見られるかもしれない。

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