3試合連続ゴールでカタール滑り込みも? 市場価値“三笘越え”約9倍、欧州でドリブルキングとなった男の現在

オーストリアで躍動する中村敬斗 photo/Getty images

オーストリアで存在感を示している

22-23シーズンの欧州リーグでは多くの日本人選手が活躍しており、新天地で躍動する久保建英やすでにリーグ戦で6得点に関与する鎌田大地らにスポットライトが当てられている。9月に行われる代表戦でも主力となる選手たちであり、注目度は高い。

フル代表歴はないが、オーストリアで活躍し彼らに次ぐ存在感を欧州で示しているのがLASKリンツのFW中村敬斗である。

ガンバ大阪でプロとなり、その後トゥウェンテやシント・トロイデンを経由して昨季からLASKリンツでプレイする中村。海外挑戦後は思うように出場機会を伸ばせなかったが、昨季現チームに加わると、22試合に出場して6ゴール1アシストを記録。新シーズンの今季は9試合で6ゴール3アシストとすでに昨季の数字を越えている。

[4-2-3-1]の左サイドハーフとしてポジションを確立しており、現在3試合連続ゴール中だ。好調を維持しており、10月2日のゲームではリーグ首位を走るレッドブル・ザルツブルクと対戦する。

レッドブル・ザルツブルクといえばアーリング・ハーランドや南野拓実を輩出したオーストリアリーグの強豪であり、現在13-14シーズンから9連覇中の絶対王者である。次のハーランドと呼ばれるFWベンヤミン・シェシュコがおり、中村のLASKリンツはどこまで食い下がれるか。

オーストリアリーグで中村が残している印象的な数字はドリブルだ。21回のドリブル成功数はリーグトップであり、前述したシェシュコより7回も多い。決定的なチャンスを生み出すビッグチャンスクリエイト数4回はリーグ2番目の数字であり、中村はすでにリーグ屈指のアタッカーに成長している。

『transfermarkt』が設定する市場価値もどんどん上がっており、現チームに所属した当初2021年9月時点では40万ユーロだったのが、この1年で350万ユーロにまで跳ね上がっている。約9倍であり、日本円で約5億円の価値を持つ選手になった。日本人選手では中島翔哉や三笘薫を抜いて13番目であり、どんどん価値を高めている。

フル代表歴はないが、このまま好調を維持できればいずれ呼ばれることになるだろう。今回はワールドカップ・カタール大会直前の代表戦であり、新戦力を試すのは難しい。だが板倉滉や浅野拓磨が負傷して選外になったように直前で枠が空く可能性がある。22歳と若い選手だが、その急成長ぶりに賭けてみるのも面白い(データは『SofaScore』より)。

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