デパイ、ファン・ダイク、デ・ヨングいるオランダは“同国史上最強級”だが…… 気になるクラブでの現状

各エリアに実力者を抱えているオランダ photo/Getty Images

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出番を確保できていない者も目立つ

現段階でワールドカップ・カタール大会の優勝候補筆頭に挙げられているわけではないが、今のオランダ代表には優勝を狙うだけの力がある。

同国史上最高DFと言ってもいいフィルジル・ファン・ダイク、その脇を固めるバイエルンのマタイス・デ・リフト、インテルのステファン・デ・フライなど守備陣に実力者が揃っているのが1つの強みで、これほど実力あるセンターバックを複数枚揃えている代表チームも珍しい。

そして前線にはメンフィス・デパイだ。デパイはオランダ代表通算80試合で42ゴールとかなりのハイペースで得点を重ねており、この得点数はオランダ代表歴代得点ランク2位タイとなっている。同じ2位はクラース・ヤン・フンテラール、1位は50ゴールのロビン・ファン・ペルシーで、28歳のデパイはファン・ペルシーの数字を超える可能性がある。歴代のレジェンドと比べてどこかスーパースターとの印象が薄いかもしれないが、デパイが同国史上最高級の点取り屋なのは間違いない。28歳の今が全盛期と考えるなら、オランダとしてはデパイの能力を今年のワールドカップで引き出したい。
ただ、ここへきて気になるのがクラブでの状況だ。デパイはバルセロナでポジションを確保しきれていない状態にあり、前線の主役は今夏に加わったロベルト・レヴァンドフスキだ。デパイは今夏バルセロナに残る決断を下したが、ここまでリーグ戦の出番は2試合のみ。これがワールドカップにどう影響してくるのか不安はある。

オランダ『Soccernews』は同じくバルセロナ所属のMFフレンキー・デ・ヨングの出場機会も不安視しており、デ・ヨングも毎試合スタメンに入っているわけではない。オランダ代表では絶対的なゲームメイカーだが、デパイ同様に試合勘が鈍ってしまうのは怖い。

昨夏のEURO2020までは主力だったMFジョルジニオ・ワイナルドゥムもパリ・サンジェルマン移籍から歯車が狂い、今夏移籍したローマでも脛骨骨折の重傷を負うなど運がない。デパイとともに今の代表を引っ張る存在だっただけに、代表監督ルイ・ファン・ハールも頭が痛いだろう。

ベストメンバーさえ揃えば、今のオランダは優勝を狙えるはずだ。組み合わせも開催国のカタール、エクアドル、セネガルと同居する比較的楽なグループではある。

同国歴代得点ランク2位のデパイ、最高級DFファン・ダイクを軸に、オランダサッカー史の中でもトップ5に入るくらいは豪華な陣容になっていると言ってもいい。あとは主力組がクラブできっちりと出番を確保してくれるのが理想だが、果たしてデパイやデ・ヨングはワールドカップにベストな状態で合流できるのか。

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