レスターの奇跡の“ブンデスver”は起こる? 堅守速攻極めしウニオン&堂安・フライブルクが強い

ウニオンは首位に立っている photo/Getty Images

今季のブンデスでは何かが起こる?

2015-16シーズンに奇跡のプレミアリーグ制覇を果たしたレスター・シティは、堅守速攻を究極のレベルまで高めたチームだったと言える。きっちりとブロックを組んで相手の攻撃を跳ね返し、ボールを回収すればワイドに開くリヤド・マフレズか、スピードスターのジェイミー・バーディ目掛けて長いボールを送り込む。これはシンプルかつ強力な攻撃だった。

当時のレスターは下位クラブと考えられていたが、格下が格上を潰すには堅守速攻が最適だ。失点を許さなければ勝ち点1は拾える可能性があり、カウンターで1点をもぎ取れば勝ち点3のチャンスが出てくる。実現するのは難しいが、当時のレスターはこれを続けていた。

そして今、ドイツ・ブンデスリーガで同じシナリオが起きるのではと注目が集まっている。米『ESPN』が注目するのは、勝ち点18で首位に立つウニオン・ベルリンと同14で4位につけるフライブルクだ。

どちらも昨季トップ6でフィニッシュしているため、当時のレスターに比べると知名度は高い。とはいえ、バイエルンが支配してきたブンデスリーガを制覇するとなれば、これはもう奇跡である。

ウニオンは分かりやすいレスター式戦い方だ。3バックを軸にファイトし、とにかく失点を減らす。そしてボールを奪えば、2トップのシェラルド・ベッカーとジョルダン・シエバチュを走らせるというシンプルな流れだ。

当時のレスターはチームで68ゴールを奪っているが、そのうちバーディが24ゴール、マフレズが17ゴールを記録。2人で半分以上を負担していたわけだが、ウニオンのベッカー&シエバチュが同様の数字を残すのが優勝への条件となるだろう。ここまではベッカーが6ゴール、シエバチュ3ゴール決めており、チーム得点数は15ゴールだ。ここまでは半分以上を2人が決めている。

そしてウニオンは失点も現時点でリーグ最少の4点に抑えている。チームとして目指すべき形は見えており、あとは最後までエネルギーが続くかどうかだ。

フライブルクでは堂安の活躍にも期待 photo/Getty Images

次にフライブルクだが、こちらはウニオンほど速攻にこだわっているわけではない。今夏には日本代表MF堂安律を加えており、2列目にはテクニックの高い選手もいる。ウニオンの平均ポゼッション率がリーグワースト2位の40.4%なのに対し、フライブルクは44.9%。そこまで大きな差はないが、ウニオンよりはポゼッションの意識がを高い。

同メディアはフライブルクの強みとしてセットプレイを挙げている。2021-22シーズンの開幕から数えると、フライブルクは24ゴールもセットプレイから奪っている。このセットプレイを活かすというのも、格上を潰すうえで有効な武器となる。

一昨季に10アシスト、昨季7アシストを決めているイタリア代表MFヴィンチェンツォ・グリフォのように精度の高いキックを持つ選手もおり、前線には190cmのオーストリア代表FWミヒャエル・グレゴリッチュも構える。チーム全体での空中戦勝利数154回はリーグトップである。

そして失点の方もウニオンに次いで2番目に少ない5失点に抑えており、堅実なチームに仕上がっている。

ブンデスリーガはバイエルン次第なところがあるが、ロベルト・レヴァンドフスキの抜けた今季は何かが起きるかもしれない。

じっくりと機会を伺うウニオンとフライブルクは注目する価値のあるチームと言えそうだ(データは『WhoScored』より)。

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