昨季のプレミア得点王無力化。英紙は2ゴールのサカと同じ高評価 リヴァプール相手にデュエル勝率7割“左SBの冨安”本格始動?

モハメド・サラーとマッチアップした冨安健洋 photo/Getty images

23歳ながら素晴らしいパフォーマンスを披露する

プレミアリーグ第10節でアーセナルはホームでリヴァプールと対戦。このカードは約2年3カ月アーセナルが勝てていなかったが、ようやく3-2でアーセナルが白星を掴んだ。これでアーセナルは開幕から8勝1敗の勝ち点24。マンチェスター・シティを1ポイント差ではあるが上回っており首位に立っている。

そんな重要な一戦で日本代表の冨安健洋は先発となった。今季右サイドバックのポジションはベン・ホワイトに取られており、リーグ戦ではすべての試合で途中交代からピッチに立っている。唯一の先発はELだったが、ミケル・アルテタ監督からの信頼度が高いのか、右ではなく左サイドバックとして先発した。

役割としてはリヴァプールのエースであるモハメド・サラーへの対策だろう。主に右で起用される冨安だが、相手のエースを封じるために逆サイドで起用されることが昨季からあり、現バルセロナのハフィーニャがリーズ・ユナイテッドにいた際は、リヴァプール戦同様に左SBで起用されていた。

このアルテタの考えは大正解だった。サラーへの対応は必ず冨安プラス味方のサポートで行われており、エジプト代表FWが得意とするカットインから左足でシュートを打たせる場面はなかった。サラーは動き出しからボックス内に侵入することを得意としているが、冨安はボールウォッチャーにならずサラーにピッタリついており、自由にさせていない。そのためサラーは69分でベンチに退いており、枠内シュート1本も記録せずにピッチを後にした。

対する冨安のスタッツは素晴らしく、6回のクリアに3回のタックルを成功させている。地上戦、空中戦合わせて7回デュエルに勝利しており、リヴァプール相手に勝率70%と好成績を残している。

「前半リヴァプールの攻撃を止めるために奮闘した。両利きである冨安の武器はビルドアップの際に大きく貢献している」

「素晴らしいパフォーマンスだった。サラーを上手く遠ざけ、封じ込めた。これほど静かな午後はそうないが、それは冨安のおかげである」

英『football.london』や英『Squawka』はこのように冨安を評価しており、とくに後者では2ゴールを決めたブカヨ・サカと同じ評価を与えられている。最終ラインでは最高評価であり、リヴァプール戦での冨安の活躍ぶりが分かる。

昨季プレミア得点王のサラーを封殺する守備力は今後も重宝されるだろう。英紙が主張するように右利きだが、左足でも正確にパスを供給することができ、左サイドでも違和感なくプレイできる。それほど積極的に攻撃に絡むわけではないが、アクセントを付けられるパスを出すこともでき万能だ。今季は昨季と比べ出遅れてしまったが、このリヴァプール戦を機にプレミアでの出場時間増加に期待だ(データは『SofaScore』より)。

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